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2024.05.01 声明・意見


永住者や永住者を目指している方からの「永住許可取り消し」に対する声

日本はすでに「移民社会」です。しかし、2024年3月15日に閣議決定された入管法「改正」案に含まれる永住許可の取消しは、現に日本で生活する約88万人(23年6月末現在:880,178人で、在留外国人の27.3%)の永住者及び今後永住許可を得ようとしているすべての外国籍住民の立場を不安定にするものです。
ここでは、「【永住者・永住者をめざしている方へ】永住許可取消しについてメッセージをお送りください」
https://migrants.jp/news/office/20240412-2.html に寄せられた声を更新・掲載していきます。

#永住許可の取消しに反対します
#2024年入管法改悪にNO!
【オンライン署名】#永住許可の取消しに反対します→  https://change.org/2024-02-27



李琴峰さん(作家)

永住資格は、永住者が日本で生活基盤を築くうえで大事な在留資格であり、安定した生活の根幹をなすものです。永住資格取り消し制度を盛り込んだ今回の法改正が通れば、私たち永住者の生活基盤は根底から揺るがされ、安心して暮らすことができなくなります。

税金や社会保険料を支払うのは義務であり、未納や滞納をする人はすでにペナルティが用意されています。日本人だろうと外国人だろうと、同じ法で平等に裁けばいいのではないでしょうか?税金を未納・滞納する日本人はいくらでもいるのに、外国人に対してだけ、生活基盤となる永住資格を剥奪する正当な理由はどこにあるのでしょうか?それは差別でなくして何でしょうか?

ましてや「在留カードの不携帯」だけで永住資格が取り消せる制度など、人間を人間として見ていないとしか思えません。カード一枚をうっかり家に忘れたり、紛失したりすることは誰にでもありうることです。そんなことで永住資格を剥奪するのは、ペナルティとして明らかに過剰です。ナチスドイツの統治下でユダヤ人がつけさせられていた「ダビデの星」を想起せざるを得ません。

私は大好きな日本に、そんな恐ろしい国になってほしくないのです。



エリン・マクレディさん
1994年に、20歳の時に初めて日本に来て、日本語を覚えました。2005年からずっと日本で大学教授として仕事をしています。数年前に永住権を取りました。永住権というのは、その国で安心して暮らす権利です。日本の永住権がこんなに簡単に取り消されるようになるかもしれないと当時知っていたら、この国で人生を送る道を選ばなかったでしょう。そもそも「外国人はこの国にいてほしくない」と言っているようなものです。こういう法律を作れば、他国を選ぶ事ができる人は他国を選び、日本で生活をする外国人はかなり減るはずです。この法律を作ろうとしている時点で、実際私も安心して暮らせなくなったので、日本の生活と仕事を辞めてよそに行きたいと思っています。

 



しょうさん(24歳|現在の在留資格: 留学|日本に暮らして3年)
日本への帰化を目指している者ですが、今回の法改正は、永住者への差別ではないのかと思います。滞納や脱税をする日本人もたくさんいるのに、永住者だけに対して、日本社会から追放されるという厳しい処罰を与えるのは不公平であまりにも理不尽だと思います。今回の法改正は、日本を、人間をルーツで判断し、不公平に扱う国にしてしまいます。国益と人権を考えての決断だとは思えません。



番外編: Issie さん(55歳|日本国籍者)
私の妻・娘・生後4ヶ月の孫は、全員、中国籍の永住者です。万が一政府により家族をバラバラにされたら、と考えますと、胸が潰れる思いがします。
私たちはかけがえのない家族なのです。法は基本的人権を保障するものです。基本的人権を破壊しかねない悪法に断固反対します。

 



I.J さん(45歳|現在の在留資格: 永住者|生まれてから今現在まで、ずっと日本のみで暮らしている)
なぜ日本国籍保有者と同様の罰則ではなく日本追放なのか。祖国と何のつてもない、親族・知人もいない、母国語も話せない外国籍・無国籍の人々もかなりいるだろうに。現に私自身がそうだ。



J-Rawr (ジェイ・ロア) さん(20歳|現在の在留資格: 永住者|生まれてからほとんど日本で暮らしてきた)
こんにちは、日本生まれ・育ちの永住者です。
普段はビートとかを作ったり、今年から大学に通い始めています。
この法案、僕らを人間として見ないような感じがプンプンしてて、ふざけるのも大概ですよって言いたいです。
どうして僕ら日本生まれ育ちがいとも簡単に「国に帰れる」と思うんですか?帰る国なんてないですよ。



J.Y さん(36歳|現在の在留資格: 永住者|25年間、日本で暮らしてきた)
決して成立してはならない恐ろしい制度と思います。永住者は人生の大部分を日本で過ごし、生活の基盤の全てを日本で築いてきて、学業や仕事を通じて日本国民同様に貢献してきた方が殆どです。税金の滞納など、日本人であれば催促や厳重注意や罰金で済ませる軽微なミスによって、全てを失い、生活できないような「外国」の地へ追放されることは人権侵害です。家族と離ればなれになり、人によっては出身国に送還されることで身の危険に遭う場合もあります。「故意に」とあるけど、入管はいくらでも理由をつけて非日本国籍の人を排除する力を持っており、今までの出来事から権力を濫用しかねません。例えるなら、まるで独裁者が社会的弱者を排除するかのようです。

 



R さん(52歳|現在の在留資格: 永住者|51年間、日本で暮らしてきた)
日本人の両親が海外滞在中に海外で生まれ、帰国後、永住権をとった者です。全くもって意味不明なこの制度?が提出された時点で、明らかにおかしい。そもそもなぜ税金の滞納(日常生活の中で誰にでもありうる)と永住権をはかりにかけるのか不透明。永住者は日本国籍者と全く同じ条件で生活しています。人生の根幹にかかわるとんでもないこの制度?(制度と呼べないですね)単なる排除主義の極みですね。到底許せません。

 



Aさん(31歳|現在の在留資格: 永住者|生まれてから今までずっと日本で暮らしてきた)
些細な間違いにより、この国で暮らしていく権利が取り上げられてしまう未来が来るかもしれないと考えると、不安でうまく眠れません。日本から出ていくにも、日本で生まれ育ち、日本しか知らない私は一体どこへ行けばいいのでしょう?

 



C.C さん(57歳|現在の在留資格: 永住者|生まれてからずっと日本で暮らしてきた)
今まででも十分に、外国籍という事だけでいわれのない差別を受けて来たのに、この取消し制度で精神的苦痛が増幅しました。例えば、勤め先が倒産して収入が無くなっても、その間も家賃や生活費は嵩みますので、税金や年金が払えない事は誰にでも起こります。特に外国籍者は再就職やパートに就くことさえも難しい。それだけで永住権を剥奪するのは、人権蹂躙です。「外国人は差別していい」という政府の意思表示としか考えられません。
私は以前は特別永住者でしたが、再入国が期日より数日遅れたので取り消され、時間を掛けて永住者まで戻りました。私は日本で生まれ、日本の学校に通い、日本人と結婚しました。この国以外で生きる術はありません。まして、外国で生まれ、日本で暮らしたいと渡ってきて、ご本人が苦労してやっとの思いで日本の永住権を獲得なさった方々の、この制度に対しての憤りや恐怖は、私より強いのでは、と想像します。出自や属性に関わらず助け合って生きるのが、共生です。必ず廃案に!



Pさん (35歳|現在の在留資格: 技術・人文・国際業務|11年間、日本で暮らしてきた)
率直に言って、非常に不愉快だし屈辱的です。このような制度で解決される社会問題は、なに一つないでしょう。
わたしはちょうど永住許可を申請し、審査の結果を待っているところですが、「永住許可の取消し」制度のことを聞いて本当に落胆しました。

税金・社会保険料・年金などを何年にもわたって継続的に支払わなければ、永住許可は申請さえできません。
永住許可を得たからといって、わたしたちが税金などを払わなくなるのではないか、と考えるのはナンセンスです。



Yさん (
20歳|現在の在留資格: 永住者|生後6ヶ月から日本で暮らしてきた)
大好きな日本で、わたしはあと何回、夢をあきらめればよいのでしょうか。
これまで、日本の多文化共生教育の確立に寄与したいという夢をもち、一生懸命学んできました。文科省に入るという夢は外国籍であることを理由にあきらめ、別の道を模索しています。
この法案が通れば、外国籍であることを理由に、わたしはまた夢をあきらめなければなりません。日本で幸せに暮らすという夢すら、おおきく遠のいてしまいます。



A.L さん(26歳|現在の在留資格: 永住者|生まれてからずっと日本で暮らしてきた)
率直に申し上げると、憤りと同時に虚無感に苛まれています。なぜ、苦労して得た永住権を軽微な違反で取り上げて、また不安定な在留資格に戻そうとするのか不明です。この法案は法の下の平等に反するのではないでしょうか。よき隣人として、この地域社会との共存をめざしてきましたが、こんな法案がまかり通るのなら、外国人は所詮「労働力の調整弁」でしかないのだなと感じます。



「カラカサン」移住女性のためのエンパワーメントセンター メンバーのみなさん

「カラカサン」メンバー①(現在の在留資格: 永住者)
わたしは永住許可の取消しに反対です。
納税を怠ったときの対応や罰則はすでにあります。
なぜ、わたしたちは永住許可の取消しまでされなければいけないのでしょうか?不公平です。

「カラカサン」メンバー②(
現在の在留資格: 永住者)
わたしは永住許可の取消しに反対します。もしこのような措置が実際に導入され、たとえば、わたし自身の在留資格が「定住者」や、ほかの短期のものに変更されてしまったら、わたしの誇りや尊厳は踏みにじられます。このような手続きの導入はわたしの社会的な地位を低下・不安定化させるだけではありません。わたしがこの国に捧げてきた長年の献身や貢献も蔑ろにされるのです。

「カラカサン」メンバー③(現在の在留資格: 永住者)
わたしは、永住許可の取消しに反対です。わたしの子どもたちは日本に暮らしています。わたしは彼らを生涯サポートしていきたいと考えています。このような制度の導入が議論されること自体が、わたしを不安な気持ちにします。


 

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