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2026.08.07 声明・意見

【団体賛同受付中】永住許可に関するガイドラインの厳格化に強く反対し、撤回を求める声明

2026年8月4日に出入国在留管理庁(以下「入管庁」)が「永住許可に関するガイドライン」の改定案(以下「新ガイドライン案」)を公表したことをうけ、本日8月7日、移住連は下記の声明を出しました。

本声明への団体賛同を受け付けております。
賛同いただける場合には、下記フォームから必要事項のご記入をお願いいたします。

できる限り多くの団体が名前を連ねることが社会に訴える力になります。
ぜひ本声明にご賛同くださいますよう、お願いいたします。

団体賛同フォーム:https://forms.gle/dLs5TbYdTJWfz7T27

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永住許可に関するガイドラインの厳格化に強く反対し、撤回を求める声明

2026年8月7日

NPO法人 移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)

 

  私たち移住連は、この社会で暮らし、働く、移民とその家族の生活と権利を守り、自立への活動を支え、よりよい多民族・多文化共生社会をめざす個人、団体による全国のネットワーク組織です。

 

 2026年8月4日、出入国在留管理庁は、「永住許可に関するガイドライン」の改定案(以下「新ガイドライン案」)を公表しました。新ガイドライン案は、永住許可の要件のうち独立生計要件について、日本人世帯の平均を上回る年収水準と、年金の受給見込み額がこの年収で厚生年金に30年加入していた場合に受け取れる額に達していることを原則として要求し、また国益要件について「積極的かつ具体的に日本国に利益をもたらす必要がある」として、CFER・B1(自立した言語使用者)以上の日本語能力を要求するなど、全体として現行ガイドラインよりも大幅に厳格化するとしています。これは、永住者となることを目指す多くの外国籍者にとって、事実上、永住への途を閉ざすものであり、多民族・多文化共生社会に真っ向から反するものであり、私たちは強く反対します。

 

 永住者及び特別永住者を除く中長期在留者は、2025年末の時点で2,911,374人に達し、その中には、長年日本で生活してきた人、日本で家族を築いた人、日本で生まれ、または未成年のころから日本で生活してきた人など、日本に生活基盤を有する人たちが多数存在します。しかし、「永住者」以外の在留資格は、更新のたびに不許可のリスクがあり、とりわけ別表第一の就労資格の場合、当該在留資格で定められた就労ができなくなれば更新できなくなります。「永住者」の在留資格は、ローン等の社会的信用とも結びついています。外国籍者が日本で安定した生活をし、将来設計を可能とするには、「永住者」の在留資格が必要不可欠です。

 

 独立生計要件について新ガイドライン案は、「現在及び将来において自活可能と認められる必要があり、日本人と同等水準以上の経済条件が求められる」としつつ、「申請者の属する世帯年収の額が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準」であることを求めるとしています。厚生労働省の2025年の国民生活基礎調査によると、全世帯の平均所得金額は575.2万円ですが、所得金額階級別に世帯数の相対度数分布をみると、多いのは「200~300万円未満」(13.5%)、「300~400 万円未満」(13.0%)、「100~200万円未満」(12.2%)であり、平均所得金額575.2万円以下の割合は61.5%となっています。つまり、「日本人世帯の平均収入を上回る水準」は、大多数の世帯よりも高い水準であり、多くの日本人と同程度の収入を得ている人でも、この水準を満たすことができません。外国籍者の中には、在留資格「特定技能」や「介護」の人はもちろん、「定住者」にも、製造業、建設、農林水産業、介護等の人手不足の分野で働き、日本社会を支えている人が多くいますが、こうした人が働く業界の賃金水準では「平均収入」には届かず、永住資格の取得は極めて困難になります。

 さらに、新ガイドライン案は、「日本人世帯の平均収入を上回る年収水準で30年間働き、その期間、厚生年金に加入していた場合において将来受給可能な年金の見込額に達しているか」を考慮要素とするとします。これでは、収入が低い時期があった人、国民年金の期間があった人、来日の時期が遅い人等は永住許可を得ることが基本的に不可能となります。

 世帯の平均収入を上回らなくとも現在および将来において自活することは言うまでもなく十分に可能であり、「現在及び将来において自活可能」であることについて、これほど厳しい要件を課すことは不要かつ明らかに行き過ぎです。日本社会に定着して真面目に生活する外国籍者の大多数が除外されることになり、また、法の求める独立生計要件の解釈としておよそ不合理であり、法律による行政の原理にも反します。

 さらに、収入要件については、今年の4月に遡って適用するという、つまりすでに申請している人にも適用するという横暴です。

 

 国益要件に関して、新ガイドライン案は、B1相当レベル以上の日本語能力要件を課しています。B1相当レベルは、日本語能力試験(JLPT)ではN2~N3程度とされますが、長年にわたって日本語の習得に対する公的な支援がない中、日本語習得の機会を逃した外国籍者は、永住者となる機会が閉ざされることとなります。

 加えて、入管法の条文上、日本人などの配偶者や子ども、難民や補完的保護対象者に対しては、独立生計要件が免除されているにもかかわらず、新ガイドライン案では「公共の負担」を消極評価する可能性があることが示されています。さらに、国益要件の一つである居住年数に関しても、特例であった現行の「婚姻3年」(配偶者の場合のみ)と「在留1年」を、それぞれ「5年」と「3年」に延長するなど、明らかに人道的配慮の視点が後退しています。

 

 新ガイドライン案は、外国籍者の大多数に対し、永住への途を閉ざすものです。新ガイドライン案が成立すれば、在留審査の厳格化、在留期間更新や在留資格変更の手数料の大幅な値上げ等とあいまって、大多数の外国籍者は、日本において一生不安定な法的地位にとどまるか、さもなければ日本での在留をあきらめることを強いられることになります。とりわけ、既に日本に生活基盤を築き、他に行く場所のない外国籍者にとっては、人生設計を根底から破壊するものです。2025年の「経営・管理」の突然の厳格化と同様に、従来の制度を信じて真面目に生活してきた外国籍者及びその家族等の関係者に対する重大な裏切りでもあります。

 このように、日本に暮らす外国籍者の将来と生活設計に重大な影響を及ぼすガイドラインの抜本的改定を、外国籍当事者から意見を聴く機会すら設けないまま、公表からわずかな期間で決定することは、到底許されるものではありません。

 

 同時に、新ガイドライン案の日本社会に与える悪影響も看過できません。日本に住む外国籍者のうち、活動に基づく在留資格で在留する外国籍者は、当該在留資格に該当する活動以外の活動を行うことは原則として許されません。そのことは当該外国人の活動を著しく制約するのみでなく、その制約の結果、当該外国人が自由な活動が許されれば日本にもたらしえた利益も失わせます。また、長期にわたって不安定で不自由な状況に閉じ込められることとなれば、外国籍者が日本に生活基盤を築いて日本社会に貢献することを躊躇する、つまり、日本を選ばなくなることが懸念されます。

 他方、近年、「特定技能」で入国する外国籍者が増えています。最近では、外食業に関して、特定技能の受入人数が上限に迫っていることを理由に受入れ停止措置がとられましたが、業界団体からはこの措置に対する反発の声も上がっています。日本社会は、この間、多くの外国籍者の就労により支えられてきたのです。その人たちが一定期間働いた後には出身国に戻ってしまうことを原則とするような制度に固定化してしまうと、その人たちが日本で培った生活基盤を失わせることになり、また、地域社会におけるつながりも消失させてしまうのです。

 永住の厳格化は、日本から活力を奪う結果になります。それは、すでに少子高齢化・人口減少社会に突入した日本にとって、致命的です。

 

 外国籍者の生活と尊厳をふみにじり、日本社会に取返しのつかないダメージを与える新ガイドライン案に、私たちは、強く反対し、撤回を求めます。

 

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