日本の入管収容及び難民認定制度は、国際人権法・人権基準を満たさず、すべての人の命や尊厳を守ろうとしない制度であるのに、これを一層人権尊重から遠ざける法案を提出した政府と、可決させた各議員に、改めて抗議します。
　法律の施行日は、１年以内の時期を政令で定めるとされており、難民・移民の送還の危機、長期収容の再発と監理措置下の生存権侵害の危機が、一歩迫りました。
　しかし、国会における審議の過程で、難民審査参与員制度にブラックボックスがあり、真の難民を救い得ていないことが露呈しました。
　入管収容施設が送還促進のために収容を行い、また収容施設の医療が未だ何も信用できないことが明らかになりました。
　入管庁の虚偽と隠蔽は暴かれ、入管庁が立法事実としたものは崩れました。
　国際人権機関からの勧告も、22万筆を超える署名も、廃案を目指す運動を後押ししました。
　これに対し、可決成立させる側が行いえたことは、立法事実の崩壊について議論を避け、参議院法務委員会で強行採決をするという、旧態依然としたやり方だけでした。
　そして何よりも、全国で、多様な立場の市民が、自発的にスタンディングなどの行動をし、署名し、集会に参加し、SNSで参加・情報拡散した運動の姿は、支援する者と支援される者という関係を超えて、だれ一人取り残さないとする共生社会そのものを垣間見せました。

 
　何があっても、つないだ手を放しません。

　だから、決してあきらめません。

　人間を人間扱いしない改悪法の撤回と、本当の法改正を目指して、私たちはさらに前に進みましょう。 

2023年6月13日

公益社団法人　アムネスティ・インターナショナル日本 
特定非営利活動法人　移住者と連帯する全国ネットワーク
難民弁護団連絡会議
日本カトリック難民移住移動者委員会
入管問題調査会
全件収容主義と闘う弁護士の会　ハマースミスの誓い
特定非営利活動法人　ヒューマンライツ・ナウ