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2022.06.20 声明・意見

移住連(NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク)は、与野党9政党(自由民主党、公明党、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党、NHK党)に対して「移民政策に関する政党アンケート2022参院選」を実施いたしました。

 2022年7月10日は、第26回参議院議員通常選挙の投票日です。日本では、「日本国籍」を持たない人びとには投票権がありません。そのため「日本国籍」を持たない人々の声は選挙結果に反映されにくいのが、現状です。
 そこで、移住連(NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク)は、 与野党9政党(自由民主党、公明党、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党、NHK党)に対して「移民政策に関する政党アンケート 2022参院選」を実施しました。全政党から回答をいただきましたので、以下に公表します。
 今秋には、技能実習制度や特定技能制度の見直し、昨年廃案になった入管法案の再提出などが取り沙汰されています。つまり参院選後の国会は、日本が移民社会として、移民・難民の人権と尊厳が保障される制度を構築していくのか、これまでと変わらず、それらが欠如した制度を続けていくのかを定める場になる可能性があります。
 移民社会・日本の将来を方向づける上でも、今後の国会運営への影響という意味でも重要となる参院選に際して、本アンケート結果が参考になれば幸いです。最後になりましたが、ご多忙の中、回答してくださった政党の皆様に感謝申し上げます。
2022年6月29日に移住連注を付記しました。



アンケートから見えた傾向
 合計11項目について9政党から回答をいただきました。
 政党別にみると、共産、れいわ、社民は11項目すべてに賛成であり、移民政策に積極的な態度を示しています。立憲も2項目が「どちらともいえない」の他は、9項目が「賛成」であり、比較的積極的です。一方、自民やNHKは「反対」が過半数を超え、残りもほとんど(自民はすべて)が「どちらともいえない」であり、移民政策に消極的な姿勢が目立ちます。公明、国民、維新は「どちらともいえない」という回答が大半であり、概して曖昧な態度を示しています。
 参院選後の国会でも焦点になると考えられる技能実習制度の廃止については、「反対」と回答した政党はありませんでした。一方、特定技能労働者の家族帯同については、自民とNHKが「反対」、共産、れいわ、社民が「賛成」、公明、立憲、国民、維新が「どちらともいえない」と意見が分かれています。
 また、昨年廃案になった入管法案を再提出すべきでないとする質問については、自民と維新が「反対」と回答し再提出を容認する一方、立憲、共産、れいわ、社民、NHKは「賛成」とし、意見が分かれています。入管法から独立した難民保護法の制定については、自民とNHKが「反対」、立憲、共産、れいわ、社民が「賛成」の立場を示しています。


「移民政策に関する政党アンケート2022参院選」
技能実習制度、入管収容、難民政策…各党はどう考えるのか?

自民 公明
立憲 国民 維新 共産


社民 NHK党
1.労働者としての権利が保障された受入れ実現のため、外国人技能実習制度は廃止すべきである。
2.特定技能労働者に、滞在一年目から家族帯同を認めるべきである。 × ×
3.難民申請者に対する送還停止効の例外や送還忌避罪等を設けた入管法案は再提出すべきでない。 × ×
4.入管施設への収容は司法の判断を必要とし、最長収容期間を設定する。 × ×
5.非正規滞在者などへの在留特別許可については、子どもの最善の利益や家族の結合権など、国際人権基準に基づいて判断すべきである。
6.入管法から独立した難民保護法を制定すべきである。 × ×
7.在留資格や住民登録の有無にかかわらず、在日外国人の健康保険加入を認めるべきである。 × × ×
8.外国人に対する日本語教育を国の責任で実施すべきである。 ×
9.永住・定住外国人の地方参政権を認めるべきである。 × × ×
10.移民基本法を制定すべきである。 ×
11.差別禁止法を制定すべきである。 ×

【外国人労働者受入れ制度】
1.労働者としての権利が保障された受入れ実現のため、外国人技能実習制度は廃止すべきである。

 外国人技能実習制度は、「我が国で培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う『人づくり』に寄与することを目的として創設された制度」(外国人技能実習機構HP)です。しかし現実には、この制度は国内の人手不足を補う安価な労働力の受け入れ制度として使われています。来日に多額の債務を要する、転職の自由がないなどの「奴隷労働構造」を持つこの制度下ではさまざまな搾取の問題などが数多く発生し、国連人権条約機関等からも「新たな制度」への置き換えや改善を求める強い勧告が出されています。

自由民主党:どちらとも言えない
技能実習制度においては、これまでに多くの技能実習生が実習を全うし、母国等で活躍されているものと承知しています。他方で、一部の受入れ企業等においては、技能実習制度の趣旨が必ずしも十分に理解されず、労働関係法令違反等の問題や技能実習生の失踪等の問題が生じていることに鑑み、平成29年11月に施行された技能実習法に基づき、更なる制度の適正化及び技能実習生の保護の取組等が進められているものと承知しています。
なお、技能実習法の附則において、「政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」とされています。
公明党:どちらとも言えない
外国人技能実習制度は、日本の技能や技術、知識を開発途上国などに移転し、国際社会への貢献を目的としています。しかし、同制度を通じて日本に来た外国人の実習生が劣悪な労働環境に置かれている事例があることも承知しています。こうした環境を改善するために、2017年より「外国人技能実習機構」を新設し、実習生の受け入れ企業には、同機構への届け出義務を課すことや日本人と同等以上の待遇を求めるようにしています。
誰一人取り残さない共生社会の実現に向けて、外国人実習生に対してもきめ細やかな対応ができるよう、引き続き丁寧に議論を重ねていきます。
立憲民主党:賛成
立憲民主党は、人権侵害や労働法令違反が頻発している外国人技能実習制度を抜本的に見直し、外国人労働者が国内労働者と同等に保障され、保護される環境を整えるための法案を検討している。
国民民主党:どちらとも言えない
技能実習制度の実情に問題があるのは事実であり、この実情をどのように是正するかが課題です。既に日本の産業界、経済界等に深く組み込まれていることから、即座に廃止することは現実的ではありません。外国人労働者の受け入れのあり方について、受け入れの仕組み、外国人労働者の待遇など、政府の方針と改善策を早急に明確にすることを求めていきます。
日本維新の会:どちらとも言えない
本来の制度の趣旨に則り、適正に運用されることが不可欠です。実態をつぶさに調査し、外国人労働者が「労働力の需給調整手段」として使われてきた状況や劣悪な労働環境、人権侵害等については抜本的に是正、改善を行い、適切な受け入れを推進すべきです。
日本共産党:賛成
技能実習制度は、人手不足の労働現場、しかも多くは劣悪な環境下で、安価な非熟練労働を担わされています。ほとんどの場合、職場を替わることもできません。最賃法違反、暴力やハラスメント、強制帰国の脅しなど許されない実態があり、送り出し機関、受入れ機関、ブローカーが利益を得る温床となっています。労働者としての権利も基本的人権も保障されていない働かせ方であり、ただちに廃止すべきです。
れいわ新選組:賛成
日本の外国人技能実習制度について米国国務省は2007年以降毎年、人権侵害状況を非難しています。また、国連人種差別撤廃委員会(CERD)は日本政府に対して勧告を繰り返しています。外国人技能実習制度は早急に廃止すべきです。
社会民主党:賛成
外国人技能実習制度は国際貢献を目的とし、実習生は労働者ではないという位置付けです。しかし実態は安価で使い捨てのできる労働力となっています。暴力、搾取など人権侵害が深刻です。同制度は廃止し、労働者として身分保障を整えた新しい制度にすべきです。
NHK党:どちらとも言えない
技能実習生は奴隷ではありません。労働契約を結んで実習を受けているので労働基準法が適応されます。適切な実習環境を整備出来ている企業への受け入れを進めなければなりません。また、送り出し機関も政府の認定した機関であるかが重要です。希望者に対して多額(3600米ドル以上)の金銭を貸し付ける悪質なブローカーを排除する為の審査の深化が望まれます。受け入れる側、送り出す側の双方の問題点を解決し、互いにWin-Winの関係を築けるように改善を進めるべきです。


2.特定技能労働者に、滞在一年目から家族帯同を認めるべきである。
 2019年に開始された特定技能制度の下で働く特定技能労働者の在留資格は、「特定技能1号」と、「1号」を終えた後に認められる「特定技能2号」に区分されています。このうち「特定技能1号」労働者には家族の帯同が認められていません。「特定技能1号」労働者は、技能実習からの移行者が多いことを考慮すると、技能実習・特定技能あわせて最長通算10年間、家族の帯同が認められないまま日本で働くことになります。一方で、技能実習生が妊娠した場合、出産困難な状況に直面することが知られており、その要因の一つとして家族の帯同を認めない制度があると指摘されています。

自由民主党:反対
「家族滞在」の在留資格は、入管法上、日本に「在留する者の扶養を受ける配偶者又は子」に対する独立した在留資格であり、在留期間に上限のある「技能実習」、「特定技能1号」や長期の滞在が想定されていない「短期滞在」の在留資格で滞在する者の家族は、「家族滞在」の対象から除外されていますが、これは、「家族滞在」の在留資格は扶養者に十分な扶養能力を求めるものであり、一定期間の在留後出国することが予定されている在留資格で滞在する外国人について、その子弟の教育等家族にかかるコストを含め社会全体としてそのコストを負担することのコンセンサスが得られているとは認められないためであると承知しています。
公明党:どちらとも言えない
入管法上の「家族滞在」は、「在留する者の扶養を受ける配偶者又は子」と規定され、十分な扶養能力があることが求められています。また、外国人家族への教育費や医療費など、国が負担するコストついても様々なご指摘があります。
いずれにしても、外国人が活躍できる環境を整えることは重要な課題です。特定技能1号の要件等については、引き続き丁寧に議論を重ねていきます。
立憲民主党:どちらとも言えない
立憲民主党は、就労のため来日する外国人について労働者としての在留を認め、生活者として安心して暮らしを営むことができる体制や環境の整備を段階的に進め、外国人労働者を「労働者」として受け入れる新たな制度を検討しており、長期間家族の帯同が認められないまま日本で働かなければならない現行制度は抜本的に改善されるべきと考えるが、制度の詳細についてはまだ党の考え方が確定していない。
国民民主党:どちらとも言えない
質問1で技能実習制度の「廃止」の是非を質していることから、現行制度を前提にした質問2は、その内容として矛盾があると考えます。また、外国人労働者の家族帯同の可否は重大な政策課題であり、現行制度を変更するには十分な検討と議論が必要です。
日本維新の会:どちらとも言えない
人口減少を背景とする人手不足が深刻化する中、外国人労働者の受け入れ拡大は我が国にとっても必要なことです。技術移転を通じた発展途上国への国際貢献を目的とする技能実習制度と人手不足分野における労働力の確保を目的とする特定技能制度は明確に区分して考えていく必要があり、技能実習からの移行を前提とすることは馴染みません。一方で外国人から日本が「選ばれる国」になるために将来の永住を含めた選択肢を増やしていくことは必要と考えており、14業種に認められている特技の育成・訓練を受けることなく直ちに業務を遂行できる「特定技能1号」と高い専門性・技能を要する「特定技能2号」の線引き、永住権取得で初めて認められる家族帯同*をどのように整理していくかは、慎重に検討されるべき課題と考えています。
*移住連注:家族帯同は、永住者だけでなく、専門・技術分野に分類されている在留資格の保持者などにも認められています。
日本共産党:賛成
技能実習制度が人権侵害である理由の一つが、家族帯同を認めない点です。
特定技能1号に技能実習生からの移行者が多いということは、一時帰国はあるにせよ、すでに家族と離れて5年以上実習生として働いているということです。ご指摘のように、最長通算10年間も家族と離れ離れという制度は人権無視であり、特定技能労働者の家族の帯同を認めるべきです。
れいわ新選組:賛成
特定技能在留外国人の9割が「技能実習」からの移行者であるという実情を鑑みれば、家族の帯同を長期間にわたって認めない現行制度は、人権侵害と言わざるを得ません。特定技能労働者に対して、滞在1年目から家族帯同を認めるべきです。
社会民主党:賛成
国連は1994年を「国際家族年」とし、「家族は社会の基本単位」であり、「家族にできるかぎり広範な保護と援助が与えられるべきである」としています。人権として家族の帯同を認めるべきだと考えます。
NHK党:反対
特定技能ビザ1号では帯同は認められていませんが、特定技能ビザ2号では家族の帯同が認められています。問題は1号と2号の受け入れ業種に差があることだと思います。1号の14業種の中で2号と重なっているのは建設業と造船業の2業種のみです。2号の業種を今後13分野まで拡大することが決まっていることから、家族の帯同を望む特定技能労働者は2号の認定を目指すべきです。ただし、特定技能ビザ2号の認定の基準は相当に厳格であるべきだと考えます。ここを容易にすると日本が移民国家となっていってしまう恐れがあります。
*移住連注:特定技能の受入れ分野(特定産業分野)は、1号は12分野(2022年5月に、製造業の3分野が統合されました)で、うち2号があるのは建設業と造船・舶用業の2分野です。一部メディアで、2号対象分野の拡大が報道されましたが、正式決定はされていません。


【入管問題】
3.難民申請者に対する送還停止効の例外や送還忌避罪等を設けた入管法案は再提出すべきでない。
 2021年、難民申請者に対する送還停止効の例外などを設けた入管法案が、市民社会の反対を受けて廃案になりました。一方、一部報道では、旧法案で新設が目指されていた「補完的保護」を昨今のロシアのウクライナ侵攻による難民の保護に関連させ、政府がこの法案を国会に再提出する可能性が取り沙汰されています。

自由民主党:反対
現行入管法下で生じている送還忌避・長期収容の問題は、早期に解決すべき喫緊の課題であり、人道上の危機に直面している者を確実に保護する制度の整備もまた、重要な課題の一つです。
入管制度全体を適正に機能させ、保護すべき者を確実に保護しつつ、我が国で重大な犯罪を犯すなど、ルールに違反した者には厳正に対処できる制度とするためには、こうした現行入管法下の課題を一体的に解決する法整備を行うことが必要不可欠であると考えています。
公明党:どちらとも言えない
入管収容施設における収容の長期化などが喫緊の課題となっています。在留を認めるべき者は適切に保護した上で、わが国で重大な犯罪を犯したことのある外国人については厳正に対処すべきです。
入管制度を適正に機能させるため、同制度や運用の改善に引き続き取り組んでいきます。
立憲民主党:賛成
政府が提出した入管法案は、国連が繰り返し勧告してきた、期限に上限のない収容や厳しすぎる難民認定基準などがまったく是正されていない内容となっている。また政府のいう補完的保護は、国際基準とはかけ離れたもので、かつ依然として入管庁の恣意的な裁量のもとにあり、すべての紛争難民が救われる制度となっていない。
国民民主党:どちらとも言えない
全件収容主義を採用する現行の難民認定制度やウィシュマさん事件で明らかとなった収容の実態など改善すべき課題の解決に資するような対応を追求します。
日本維新の会:反対
紛争避難者を「準難民」として補完的保護の対象とし、難民に準じた扱いを可能とする制度の創設は必要であると考えています。また不法在留の外国人の収容長期化を避けるため、難民認定手続きにおいて申請3回目以降は強制送還を可能とすることについても合理性があると考えています。
日本共産党:賛成
ウィシュマさん死亡事件をきっかけに廃案にせざるを得なかった重大な問題のある法案を、ウクライナ難民の保護を口実にして、再度提出しようという動きに強い憤りを感じます。
日本の難民保護が進まないのは、国際水準に背を向け、狭い解釈に固執する政府にあります。
廃案となった法案にある、送還停止の例外、送還忌避罪等は、難民追放・送還禁止の原則(ノン・ルフールマン原則)に抵触するものであり、再提出は許されません。
れいわ新選組:賛成
難民申請者に対する送還停止効の例外や送還忌避罪創設は、許しがたい人権侵害であり難民支援運動に対する弾圧です。入管法改悪を絶対に許してはなりません。
社会民主党:賛成
昨年廃案となった入管法の改定案は、難民申請をしている外国人でも強制的に母国に送還されることや、退去命令に従わない人に罰則を設けるなど、難民条約違反です。ロシアのウクライナ侵攻による難民保護にこじつけて再提出することは許されません。
NHK党:賛成
「人道的保護」とか「一時的庇護」「補助的保護」という言葉を使う国はありますが、「補完的保護」という言葉の定義が曖昧です。仮に戦争や災害によって生じた難民を指していると理解した場合、人種や宗教、国籍、政治的意見に限定される条約難民には該当しない者を補完する制度なのでしょう。しかし、補完的保護の定義を前述だとすると、難民認定手続きにおいて難民妥当性を否定された者が補完的保護の対象から外されて人道配慮を要する条約難民が保護を受けられなくなることを危惧します。


4.入管施設への収容は司法の判断を必要とし、最長収容期間を設定する。
 法務省は、退去強制事由に該当する容疑がある者について、出国命令制度の該当者を例外として、すべて収容令書を発付するという「全件収容主義」をとっています。その結果、長期収容者が増加し、劣悪な収容環境のもと、2007年以降、少なくとも17名の被収容者が自死や病死するという痛ましい事件が起きています。2021年3月6日に亡くなったウィシュマさんもその犠牲者の1人と言えます。

自由民主党:反対
名古屋局における死亡事案のような事案を二度と起こさないよう、入管庁が進めている業務、組織改革が徹底されるべきと考えています。長期収容と送還忌避の問題については一体的な解決が必要ですが、いわゆる全件収容主義の抜本的な解決に向け、現在、法務省において、必要な法改正に向けた検討を行っているものと承知しています。
公明党:どちらとも言えない
長期収容や送還忌避の問題については、さらなる改善が必要です。まずは、在留を認めるべき者を適切に保護するとともに、送還忌避者における送還手続の適正化を図るなど、必要な法改正に向けた検討を進めるべきではないかと考えます。
立憲民主党:賛成
入管施設への長期間の収容中に命を落とす方も少なくない。全件収容主義を撤廃して、収容に際しては司法審査を要件とし、収容期間に上限を設けることが必要だ。
国民民主党:どちらとも言えない
移民に関する国際協定には「収容を可能な限り最短期間とする」ことが明記されています。
長期収容の背景には、在留特別許可の要件が明確に規定されていないことや行政手続法・行政不服審査法の対象になっていないことによって難民申請者に意見陳述の機会が与えられていないことが挙げられます。意見陳述の機会が与えられないままでの不利益処分に納得できない申請者は、出国を拒否することになるので「原則収容主義」の日本では長期収容につながっているものと考えます。従って難民認定基準を明確化し、難民認定手続きに関わる関連法の整備を行う必要があります。
日本維新の会:賛成
入管施設への収容は、退去強制事由に該当する外国人が対象とは言え、人権を著しく制約しかねないため、その必要性や合理性、比例性等を個別に総合判断した上での例外的な最終手段とするべきです。全件収容主義は廃止し、収容基準の徹底した透明化や収容施設の環境整備、在留特別許可の難民認定手続きの質の向上などを図るとともに、長期収容問題を解決するために無期限収容のあり方も見直す必要があります。同時に、収容を免れた外国人が強制送還されるまでの管理体制の強化、徹底を図ることは当然です。
日本共産党:賛成
入管施設への身体拘束・収容には司法判断を必須とすること、収容期間に上限を設けることはいずれも当然、かつ最低限の人権保障です。収容期間に期限がなく長期化していることも、収容者を先の見えない絶望に陥れています。ウィシュマさんの悲劇を繰り返してはなりません。
れいわ新選組:賛成
入管施設への収容は、行政が恣意的な判断をするのではなく、司法手続きによって行われるべきです。被収容者が劣悪な環境の中で長期間収容される現状を早急に改善する必要があります。入管職員に対して人権研修を徹底し、収容期間については法律で上限を定めるべきです。ウィシュマさんのような犠牲者をこれ以上出すことは許されません。
社会民主党:賛成
出入国在留管理庁のみが審査や収容に権限を持つ現在の制度によって、入管行政は「ブラックボックス」の状態にあります。その中で非道な人権侵害が起きています。第三者あるいは司法の判断を義務付けるとともに、収容の基準を明確化すべきです。
NHK党:反対
在留資格のない者を拘束することに何の問題もありません。強制送還を回避する為に繰り返し難民申請をする者の拘束を継続することも当然と考えます。ただし、入管収容中の事故を防ぐためにも人権的にも精神衛生的にも俯瞰的に監視し、定期的な審査を行う制度を導入する必要性を感じています。


5.非正規滞在者などへの在留特別許可については、子どもの最善の利益や家族の結合権など、国際人権基準に基づいて判断すべきである。
 入管法第50条には、退去強制事由に該当する者であっても法務大臣が特別に在留を許可することができる「在留特別許可」が規定されています。長く法務省は、その許否判断を法務大臣の「裁量」であるとしてきましたが、2006年10月に「在留特別許可に係るガイドライン」が策定され(09年7月改訂)、許否判断における積極要素と消極要素が示されました。しかしながら、ガイドラインにおいても、子どもの最善の利益や家族の結合権などが積極要素として明記されておらず、その結果、国際人権基準を考慮しない裁決が行われています。

自由民主党:どちらとも言えない
「国際人権基準」の意味が必ずしも明らかではありませんが、在留特別許可の許否判断に当たっては、従来から、個別の事案ごとに、子供の利益や家族の統合の観点も含め諸般の事情を総合的に勘案して行われてきたものと承知しています。
公明党:どちらとも言えない
在留特別許可においては、これまで法務大臣の判断で個別の事案ごとに対応してきた経緯があります。その際、子どもの利益や家族等の観点も含め、総合的に勘案しているものと承知していますが、外国人の方の実情に合わせて、さらに適切に対応できるよう議論を深めていきます。
立憲民主党:賛成
在留特別許可も国際人権基準に則った判断が行なわれなければならない。許可基準を明示するとともに、児童の最善の利益の考慮、児童が父母と分離されないことへの配慮、家族がそろって在留できるような配慮を行ないます。また、立憲民主党が議員立法で提出した入管法改正案では、日本に長期在留して、一定の要件を満たす外国人に対して、定住者の在留資格を取得可能とする時限的な特例措置を提案した。
国民民主党:どちらとも言えない
外国人労働者、非正規滞在者等の問題を検討する際に、子どもの扱いについては最善の措置を追求すべきです。子どもの権利として、外国人の子どもの就学機会の確保や就学支援、学習支援には特に力をいれるべきと考えます。
日本維新の会:どちらとも言えない
法務省が公表している「在留特別許可に係るガイドライン」について、平成23、24年の東京地裁判決は、在留特別許可の許否を判断する法務大臣の裁量権を制約したり、裁量権の限界を画したりしたものではないとし、判断を拘束する行政先例や一義的基準はないという見解を示しています。子どもの最善の利益や家族の結合権などが同ガイドラインの積極要素に入っていなくても、必ずしも国際人権基準に考慮しない措置が決定されているとする根拠にはなり得ません。在留特別許可の許否は、国際人権基準を尊重しつつ、当該外国人の個別的事案・事情に基づいて総合的に判断されるべきです。
日本共産党:賛成
在留特別許可制度は、国際人権条約にもとづくものとし、子どもの最善の利益を最優先させるなど要件を緩和した上で明確にし、その運用も非正規滞在者の実態に即して判断するべきです。「法務大臣の恣意的判断」で判断根拠のわからない制度は終わりにしなければなりません。
れいわ新選組:賛成
子どもの最善の利益や家族の結合権が「在留特別許可」を判断する際の積極要素であることは明らかです。ガイドラインを抜本的に改善し、国際基準に合致した内容にしていくべきです。
社会民主党:賛成
日本は1994年に国連子どもの権利条約を批准しています。「子どもの最善の利益」「家族から分離されない権利」は締約国の義務です。
NHK党:どちらとも言えない
平成12年1月に法務省は婚姻在特以外の在留基準を緩和しています。法務大臣が意図した新たな基準は、日本入国(不法入国を含む)後,適法不適法を通算して10年が経過していることと、子供が日本の学校に通学する等の日本への定着が認められることです。これらを条件に家族全員が在留資格のない外国人であっても、その外国人家族全員に在留特別許可をするというものもあったということです。この方針に子供の利益に含まれていると解釈することも出来ると思います。
*移住連注:在留特別許可の許否判断に関して、法務省は「在留特別許可に係るガイドライン」を策定・公表していますが、2000年1月の「在留基準の緩和」は確認できていません。


6.入管法から独立した難民保護法を制定すべきである。
 今年、世界で戦争、暴力、迫害により難民となった人々が初めて1億人を超え、多くの人々が自分と家族の命を守るため故郷を離れることを強いられています。そのため、難民を受け入れ支援するために「負担と責任を公平に分け合うことが急務となっている」という共通認識のもと、2018年国連総会で「難民に関するグローバル・コンパクト」が採択され、日本も賛同しました。ところが、G7各国の難民認定率を比較してみると、カナダ55.2%、米国25.7%、英国47.6%、ドイツ41.7%、フランス14.6%、イタリア11.3%というなかで日本はわずか0.5%です(2020年)。それは、日本が国際的な認定基準から離れ、難民の定義について特異な解釈をしているからです。いま日本では、「出入国管理及び難民認定法」のもと、出入国在留管理庁が難民認定業務を担当していますが、外国人の出入国と在留に関わる業務と切り離して、国際基準に基づく庇護者保護/難民認定/難民保護(社会統合)を目的とする「難民保護法」を制定すべきです。

自由民主党:反対
難民認定手続は、外国人の出入国在留管理という出入国在留管理庁の業務と極めて深いつながりを有するものであり、「出入国管理及び難民認定法」から難民認定手続を切り離すのは相当ではないと考えています。我が国では、申請者ごとにその申請内容を審査した上で、難民条約上の定義に基づき、迫害のおそれを判断し、難民と認定すべき者を難民と認定しており、条約上の難民とは認定できない場合であっても、本国情勢などを踏まえ、人道上の配慮が必要と認められる場合には、我が国への在留を認められているものと承知しています。
公明党:どちらとも言えない
難民認定手続は、外国人の出入国在留管理の業務と極めて深いつながりを有するものであることから、「出入国管理及び難民認定法」として運用されていると認識しています。難民の受け入れや保護については、迅速かつ円滑に進むよう、新たな仕組みづくりが必要と考えています。条約上の難民に認定できない場合でも、「準難民」として受け入れができるよう法整備を進めるべきです。
立憲民主党:賛成
立憲民主党が議員立法として提出した難民保護法案では、難民認定行政を出入国在留管理庁から切り離し、難民認定手続を国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の国際基準に合わせて透明化すること等により、難民や難民申請者の権利利益を十分保護する仕組みを提案した。
国民民主党:どちらとも言えない
現在の入管制度には数多くの課題があり、入管法の見直しが必要と考えます。また、日本が難民受入れに関して消極的である点は是正の余地があります。難民を欧米諸国並みに受け入れるためには、その前提として、前述の質問のような外国人労働者の受入れに関する政府の方針や改善策を先行して明確にすることが必要です。
日本維新の会:どちらとも言えない
紛争や戦争、政治的な弾圧、迫害等により命の危険にさらされ、母国を離れざるを得なくなった難民や人道上の配慮が必要な外国人の受け入れは国際的課題です。しかし、広く移民を許容してきた欧米とは異なるわが国の事情・地理的条件や、難民の受け入れに約6割が慎重な国内世論(令和元年度内閣府「基本的法制度に関する世論調査」結果)、安全保障上の対策整備状況などを鑑み、難民施策の出入国・在留業務との切り離しや難民認定基準の「緩和」については慎重に対応すべきだと考えます。偽装難民問題に留意しつつ、難民及び難民申請者への医療・食料等の支援強化や難民認定プロセスの改善など、SDGsの考え方に基づき人道的見地から難民問題に取り組んでまいります。
日本共産党:賛成
日本の難民認定率の低さは突出しており、世界の中で異常な低水準です。「難民保護法」として、出入国管理法から独立させ、認定業務を担う機関も、法務省入管庁や外務省から独立した機関とすべきです。参議院に、5野党共同で、難民等保護法案を提出しています。
れいわ新選組:賛成
難民保護は国際的人権基準の枠組みの中で保障されるべきであり、出入国・在留管理とは切り離して行うべきです。「難民保護法」を早急に制定し、人権尊重国家としての姿を国際社会に打ち出すべきです。
社会民主党:賛成
G7の中で日本の難民認定率は極端に低く最低です。国際社会の一員として活動していくためには国際基準に沿う努力が必要です。「難民保護法」を制定すべきと考えます。
NHK党:反対
日本では2010年に難民認定申請者に対して一律で就労を許可したことから出稼ぎを目的として難民認定を受けようとする人が急増したという経緯があります。つまり、偽装難民を防止する為に審査を厳格化しています。決して、難民保護法がないから難民の受け入れが進まないのではないと考えます。偽装難民の申請を省くと日本の難民認定が0.5%であることはないと思います。ちなみに2018年に一律の就労許可は取り消されていますが、偽装難民と思われる申請は多く、しかも同一人物が繰り返し行っている事例も少なくないと思われます。それでも難民認定が少ないというならば、難民の定義を見直すことで認定の判断が変わってくるはずです。


【中長期的課題】
7.在留資格や住民登録の有無にかかわらず、在日外国人の健康保険加入を認めるべきである。
 国民健康保険の加入資格は、3ヶ月を超える在留期限をもち住民登録のできる外国人にほぼ限られています。このため、短期滞在者や仮放免者、難民申請者など住民登録のできない外国人は、健康保険に加入できず自費診療でしか病院にかかることができません。昨今では保険のない外国人に対して2〜3倍の医療費請求が一般化するなど、医療サービスアクセスのハードルは上がっており、その支援をする善意ある病院や市民団体の負担が甚大になっています。

自由民主党:反対
国民健康保険は、日本国内に住所を有する者に適用することとしており、外国人についても、適正な在留資格を有し、住所を有している場合には、原則として適用対象となります。
この要件は、国民健康保険が、被保険者全体の相互扶助により成り立っており、公費や保険料により支えられる仕組みであることから、当該市町村の区域内で安定した生活を継続的に営む蓋然性が高いことを確認するために求めているものです。こうしたことから、住民登録ができない短期滞在者等を、国民健康保険の適用対象とすることは難しいと考えております。
公明党:どちらとも言えない
短期滞在者等については、保険料を支払うことなく帰国することが可能になることから、「ただ乗りではないか」などという様々なご指摘があります。短期滞在や仮放免者などの外国人への健康保険加入は、人道的な配慮が必要と判断された場合に、加入と同等の措置などを講じるべきと考えます。
立憲民主党:賛成
外国人労働者およびその家族についても、社会保障制度の担い手としての位置づけを明確にし、制度への参加を確保する必要がある。
国民民主党:反対
健康保険を含む社会保障制度は日本国民にとって非常に重要なものです。在留資格や住民登録の有無にかかわらず在日外国人全ての加入を認めるべきという質問は、質問自体が不適切と考えます。現在でも日本での医療保険利用を目的とした訪日、在住のケースも見受けられることから、早急な実態把握と改善策を講じることが必要です。
日本維新の会:どちらとも言えない
仮放免者や難民申請者など在留資格がない外国人は健康保険に加入できず、医療機関における治療費は全額負担になります。このため、支払い能力がない外国人が受診を諦めざるを得なくなることは人道上、問題がないわけではありません。しかし医療機関側は、無保険で診察料が未払いと恐れが強い外国人患者の受け入れには二の足を踏みます。診療を拒めない「応召義務」がありますが、診察料の未払いによる負担増は回避したいというジレンマを抱えています。仮に設問の4にある「全件収容主義」が見直されることになれば当然、仮放免者が増え、多くの「医療難民」が生まれることも想定されます。人道上の観点から何らかの手を打たなければならない課題ですが、健康保険の運営には国庫からも負担されています。違法行為に及んだ仮放免者に対して「至れり尽くせり」でいいのか、国民感情からしても議論は避けられません。「健康保険加入ありき」ではなく、その是非や代替の救済措置を含めて広範かつ慎重に検討すべきです。
日本共産党:賛成
ご指摘のとおり、外国人の公的医療保険への加入を限定する制度のもと、日本に居住し、働いている外国人が、必要な医療を受けられない状況が続いています。仮放免中にがんにかかった外国人が、長らく治療を受けられない事例が起こり、大問題となりました。そうした人を“持ち出し”で診療している医療機関の負担問題も深刻です。在留資格や住民登録の有無にかかわらず、外国人の公的医療保険への加入を認める運用に変えるべきです。
れいわ新選組:賛成
滞在資格の種類にかかわらず、適切な医療サービスを受けることは普遍的人権の一部です。
社会民主党:賛成
人道的な観点から、在日外国人の健康保険加入条件を緩和すべきであると考えます。
NHK党:反対
入管法の規定により、「船舶等に乗っている外国人が難民の可能性がある場合などの要件を満たすときに一時庇護のための上陸の許可を受けた者(一時庇護許可者)や、不法滞在者が難民認定申請を行い、一定の要件を満たすときに仮に我が国に滞在することを許可された者(仮滞在許可者)」は住民基本台帳の適応対象者であり、当該許可に際して、一時庇護許可書又は仮滞在許可書が交付されます。その他の外国人が公的の保険制度を誰かれなく加入できるようになると世界中から多くの外国人が殺到し高度医療を目指して日本に来日し、日本の公的健康保険制度を利用して帰国する事態を招くことになることが危惧されます。


8.外国人に対する日本語教育を国の責任で実施すべきである。
 2019年6月、日本でもようやく日本語教育推進法が制定され、日本語教育に係る国や地方自治体、事業主の責務が明記されました。しかしながら、いまだ日本では、ドイツや韓国、フランスなどのような、無償あるいは低額で受入れ国の言語を学習できる公的制度が整備されていません。日本語学習機会の提供は、自治体やボランティアに委ねられており、地域格差が大きいことが指摘されています。日本語の習得は、日本社会で生活したり働いたり、学んだりするうえで、極めて重要な「資源」であることは論をまたないはずです。「共生社会」の実現のためにも、受け入れ国の責任として、予算措置も含めて、希望する外国人がだれでも無償で日本語を学ぶことができる公的制度を整備することが求められています。

自由民主党:どちらとも言えない
「生活者としての外国人」の学習機会の確保のため「地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業」などを充実すべきと考えます。今後、日本語教師の能力等を証明する新たな資格の創設や日本語教育機関の水準の維持・向上のため、法案提出も視野に検討します。
公明党:賛成
在留外国人等が増加する一方で、日本語学習ニーズの多様化・高度化に対応する環境整備は未だ十分とは言えない。公明党は、誰一人取り残さない 学びのセーフティネットとして、子どもを含めた外国人等が日本語を学べる機会を充実するとともに、地域における多文化共生社会を実現するため、(1)日本語教師に関する資格制度創設及び日本語教育機関の水準の維持向上と振興を図る制度創設、(2)日本語教育の空白地域解消を目指した地域日本語教育の総合的な体制づくり ―を政府に提言している。
立憲民主党:賛成
外国人労働者を受け入れる国や自治体、雇い主などには、職業上および生活上必要な日本語能力などの習熟機会の提供や保証、応分のコスト負担を求める制度の整備が必要だ。また外国人労働者の子どもの教育の保障にも十分取り組んでいかなければならない。
国民民主党:どちらとも言えない
日本語の話せない在住外国人の増加は、日本人社会とは切り離された外国人コミュニティの増加につながることから、日本語教育は政府が責任をもつべきです。外国人が日本語教育を受けられる公的サービスを、自治体ごとに行う必要がありますが、そのためには政府の自治体に対する財政支援が必須です。
日本維新の会:賛成
コロナで来日できない外国人への対応強化として文化庁は2022年から国内の日本語学校のオンライン授業を充実させるべく1校あたり400〜1000万円の支援をはじめ、2021年度補正予算で41億円を盛り込みました。こうした取り組みを一層充実させていくことは大変重要と考えています。
日本共産党:賛成
無償、もしくは低額で日本語を学ぶことができる公的制度の整備は、日本に定住する、または定住を希望する外国人にとって、支援の中核となる重要な事業です。日本の遅れた取組、地域間格差を早急に克服し、強化する必要があります。夜間中学での日本語教育機会の最大限の確保、水準の向上なども力を入れたい施策です。
れいわ新選組:賛成
日本政府は公費を投入し、すべての在住外国人に対して日本語学習の機会を保障すべきです。外国人の社会参画は、日本が共生社会として発展する原動力となるに違いありません。
社会民主党:賛成
外国人が日本で生活するとき、大きな障壁となっているのが言葉です。日本に住む外国人の日本語習得を支援する「日本語教育推進法」は、その障壁を乗り越えるための第一歩です。同法は必要な財政措置を国に求めており予算の確保が早急に必要です。
NHK党:反対
日本語教育推進法は外国人への日本語学習の機会を促進するのみならず職場等における外国人の受け入れの為の環境整備も図る機会を提供することを促進すること目的もあります。外国人の日本語能力以上に問題となるのは日本語教育者や国や自治体と企業とのギャップが大きいことが根源的な問題だと思います。


9.永住・定住外国人の地方参政権を認めるべきである。
 外国人の地方参政権について、1995年の最高裁判決は、「我が国に在留する外国人のうちでも、永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではない」と述べました。そして、 95年の最高裁判決以降、外国人地方参政権法案が提出され、継続審議・廃案が繰り返されてきましたが、近年、議論に進展は見られません。しかし、定住する/永住する外国人に地方参政権を保障する国は、北欧諸国や韓国など30カ国以上になります。

自由民主党:反対
永住外国人への参政権の付与は、我が国議会制民主主義の根幹に関わる極めて重大な問題であると認識しています。憲法上、地方選挙を含めて選挙権が保障されているのは「日本国民」であることから、最高裁判所判決でも永住外国人に対して地方選挙の選挙権を付与することは憲法違反であると判示されています。もとより、国政・地方自治は、我が国の統治機構の不可欠の要素を成し、その在り方が国民生活や国家安全保障に多大な影響を及ぼす可能性があることを考えると、国政及び地方政治の方向性は主権者である日本国籍を有する国民が決めるべきであることは言を俟たないところです。わが党としては、外国籍の人への国政・地方(被)参政権については、認めてはならないと考えています。
*移住連注:1995年の最高裁判決は、外国人に地方参政権を付与しないことは憲法違反であるという訴えに対して、「地方参政権を付与しないことは憲法違反ではない」(主文)と原告の訴えを退けていますが、付与することに対しても憲法違反ではないと傍論で示しています。

公明党:賛成
日本人と同様に納税し、地域社会にも貢献していることを踏まえ、日常性の意思を反映させて然るべきであることから、地方参政権を認めるべきと考えます。
立憲民主党:どちらとも言えない
外国人の政治参加のあり方について検討を進めます。
国民民主党:どちらとも言えない
外国人の地方参政権のあり方については、在住外国人の増加を鑑みると従来以上に重要性を増しています。人数の増加は影響力の増加も意味することから、なし崩し的な参政権付与ではなく、国としての在住外国人政策の全体的な方向性や計画を明確にする必要があり、そのうえで現実的な検討が行われるべきです。
日本維新の会:反対
参政権は、憲法15条が規定する「国民固有の権利」であり、「国民主権」原則の根幹をなすものです。安全保障上の観点からも、国政・地方を問わず、外国人に対する参政権付与は認められないと考えます。参政権は日本国籍を有することが大前提であり、帰化を望む永住外国人のために帰化手続きのさらなる合理化・簡潔化を推進してまいります。
日本共産党:賛成
地方自治は、住民が地域の政治や政策決定に参画するという住民自治を内容としており、地域社会に定着している外国人が地方参政権を持つのは当然の権利です。18歳以上の永住・定住外国人に、地方選挙の選挙権・被選挙権を法定すべきです。
れいわ新選組:賛成
最高裁は1995年、永住外国人の地方参政権について「憲法上禁止されているものではない」と判示しました。国会においても第143回国会(1998年)から第163回国会(2005年)までの間に衆参の議員立法が16回にわたって提出されたものの、成立にはいたっていません。れいわ新選組は、住民投票への参加と合わせて、日本に根づいた基盤を持つ永住外国人にも地方参政権も認めていくことで、日本の社会が外国人と共生する社会になると考えます。
社会民主党:賛成
外国籍であっても自治体の住民として生活し、納税を始めとする一定の義務を負っている人びとが住民自治の担い手となることは当然です。地方参政権は、憲法の保障する地方自治の根本精神とも合致すると考えます。
NHK党:反対
日本国憲法第15条では、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と規定されています。永住外国人は帰化によって日本国籍を取得できることから、憲法に基づく参政権を得るためには国籍法に定める帰化によるできだと考えます。例に挙げられている韓国は200万米ドル以上の投資や定められた年収以上であること、7年以上の滞在後に永住資格を取得したものなど気の遠くなるように高いハードルを設けており日本人で参政権を持つ者は数十名しかいないと言われています。よって、あってないような制度だと思います。北欧は人口減少に対応して国を守るための手段として移民を受け入れたり、地方参政権を認める国もありますが、近年は失業率の上昇や治安の酷い悪化に耐え切れず移民に対する抑制論や排斥論、権利の制限を主張する勢力が多く台頭しています。
*移住連注:韓国で永住資格をもつ外国人は160,947人(日本人は7,490人)、登録外国人の約14%です(2020年数値)。①18歳以上、②永住資格取得が3年以上経過(選挙名簿作成基準日)などの条件を満たす永住外国人に選挙権があります。2022年6月1日に行われた第8回全国同時地方選挙の外国人有権者は126,668人で、うち日本人は7,244人です。


10.移民基本法を制定すべきである。
 これまで「出入国管理及び難民認定法」など、在日外国人を管理する法律は制定されてきましたが、外国人の権利保障や文化的独自性などを保障する内容の法律はありません。また政府は「移民政策はとらない」という立場を維持しており、統一的且つ専門的な部署もありません。こうした移民政策の不在により、コロナ感染拡大から3年が経つ中、移民・難民たちの苦境は長期化し、より脆弱な立場におかれています。今後ますます在日外国人が増加していくなかで、権利・政策・体制など幅広い分野に及ぶ包括的な「移民基本法」の制定が必要だという意見があります。

自由民主党:どちらとも言えない
「移民基本法」の意味内容が不明であるため、お答えは困難ですが、外国人の受入れ政策については、広く国民の意見を踏まえて不断に検討していく必要があると考えています。
公明党:どちらとも言えない
先般策定された「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」をもとに、中長期的な課題解決に向けた取り組みを具体的かつ着実に実施し、外国人が暮らしやすい日本を構築することが重要です。
移民基本法については、その必要性などを引き続き議論していくべきと考えます。
立憲民主党:賛成
立憲民主党は、在留外国人が国民と相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する多文化共生社会の実現のため、国等の責務を定めるとともに、総合調整機能を有する多文化共生庁の設置等について定める「多文化共生社会基本法案」を提出し、成立をめざしている。
国民民主党:どちらとも言えない
在住外国人、移民政策に関して政府や有識者による本格的な検討が行われることが大前提です。十分な国民的議論のないままに、現状追認的な移民受入れはかえって分断を生むことにもつながりかねません。受け入れた際のフロントになる自治体の意見も十分に踏まえ、自治体支援策等も検討することが必要です。
日本維新の会:どちらとも言えない
わが国は、一定規模の外国人を国策として迎えるといった、本来の意味での「移民政策」は採用していませんが、専門的、技術的分野の外国人を積極的に受け入れるなど「外国人材の活用」を推進しています。こうしたなかで、「多文化共生社会」のビジョンを明確に描き、外国人受け入れ全体の基本理念や政策の方向性を定めることは検討に値すると考えます。しかし、それを新規立法で制定する必要があるのかは議論の余地があります。ましてや、「移民基本法」という形で法整備することについては、わが国の今後の移民政策に対するスタンスや取り組みを含めて十分な検討が求められます。
日本共産党:賛成
外国人労働者の基本的人権が保障される秩序ある受入れが求められています。外国人労働者やその家族、さらに、外国にルーツを持つ人が日本社会における権利を保障され、共生していけるよう、総合的な政策を含めた包括的な法律が必要です。
れいわ新選組:賛成
現行の「出入国管理及び難民認定法」は、在日外国人に対してその在留資格という観点から管理を主たる目的に据えた法律です。在日外国人の増加という現状に対応し、その権利保護と具体的体制を整備する観点から名称をどのように定めるかは議論の余地がありますが、権利保護をうたう法制定の必要性は高いと思います。
社会民主党:賛成
在日外国人が増加していくなかで、包括的な「移民基本法」を検討する必要があると考えます。
NHK党:反対
移民政策には反対します。移民の受け入れには反対します。難民に関しては人道的に対応するべきで、慎重な審査を必要としますが現状の規定に則って受け入れを継続することを支持します。肉体労働を主とした労働人口の確保を目的とした移民政策には与しません。政策による助成等で解決を図れると思うからです。移民政策を進めてテロが頻発したヨーロッパの国もあります。オランダのように首都の治安が悪化し、不法滞在者すら退去させられない不法地帯を生んでしまった国もあります。そうなってしまったら元も子もないし取り返しがつきません。


11.差別禁止法を制定すべきである。
 2017年3月末に法務省が発表した「外国人住民調査報告書」において、入居、就職、サービス提供をはじめ、在日外国人が日常生活で差別を経験することが多い実態が明らかになりました。日本は1995年に人種差別撤廃条約に加入しましたが、それにともなう国内法の整備は行なわれませんでした。2016年6月に「ヘイトスピーチ解消法」が施行されましたが、言動にとどまらずあらゆる人種差別を撤廃するための包括的な法律が必要であることが、人種差別撤廃委員会など複数の国連人権条約機関から勧告されています。

自由民主党:どちらとも言えない
包括的な差別の禁止に関する法律については、その制定の要否をも含め、様々な御意見があるものと承知しています。いずれにしても、現在、個別法に基づくきめ細かな人権救済が行われているものと考えています。
公明党:どちらとも言えない
これまで公明党は、障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消推進法、部落差別解消法など、様々な人権課題の解決に向けて尽力してきました。今後は、性的マイノリティへの差別や偏見を解消するための理解増進法の成立を目指すなど、個別法による差別解消に取り組んでいきます。
ご指摘いただいた「差別禁止法」の具体的な内容はよくわかりませんが、引き続き、差別解消への議論を進めていきます。
立憲民主党:賛成
国際人権基準に立つ包括的な差別禁止法の制定を検討しなければならない。また、あらゆる人権侵害行為を受けた人を救済できる、独立性と実効性を有した人権救済機関の設置も急がなければならない。
国民民主党:賛成
2016年の190回通常国会で法律が作られた「ヘイトスピーチ対策」への取り組みを拡大し、人種・民族・出身等を理由とした差別を禁止する法律の制定など国際人権基準に基づき、差別撤廃に向けた取り組みを加速します。
日本維新の会:どちらとも言えない
わが国が加入する人種差別撤廃条約における義務は、憲法をはじめとする現行の国内法で実質的に担保されていると考えますが、今後、新たに国内法の整備が必要となれば慎重に内容を検討します。民族や国籍などによる差別的言動、いわゆる「ヘイトスピーチ」は断じて許されず、平成28年6月に施行された「ヘイトスピーチ解消法」に基づき、不当な差別のない社会の実現に向けて実効的な拡散防止策を講じてまいります。
日本共産党:賛成
人種、民族的属性、外国人であることを理由にした差別的取扱いを禁止する立法について、国会で大いに議論を深めるべきです。なお、ヘイトスピーチ解消法は、ヘイトスピーチを行ってはならない旨を明記すべきです。
れいわ新選組:賛成
1995年に加入した人種差別撤廃条約に則り、ヘイトスピーチなどの言動にとどまらずあらゆる人種差別を禁止・撤廃するための包括的国内法を早急に制定すべきです。
社会民主党:賛成
日本政府は、国連人種差別撤廃委員会などから、国際人権基準に見合う法制度の整備を勧告されています。在日外国人に対する差別をなくすためには、人種差別撤廃基本法が必要だと考えます。
NHK党:反対
障害者差別解消法、部落差別解消法、ヘイトスピーチ解消法が人権3法と呼ばれています。外国人に関してのヘイトスピーチ解消法には大きな欠点があると思います。
日本人が日本人以外の者に対する差別発言等を規制しており、外国人が日本人に対する差別発言等は規制の対象となっていない。このことは法の下の平等に著しく反し、この法の制定自体が日本人に対する差別と受け取れる。さらには、表現の自由を著しく委縮させるものであるから破棄されるべき法律であると考えます。差別禁止法を検討するのであれば、ヘイトスピーチ解消法をまず解消し、その上で白紙からの検討を願います。「不当な差別的言動の解消」という理念には共感しています。


12.その他、貴党としてすすめている在日外国人に係る政策がありましたら、ご記入ください。

自由民主党:特にありません。

公明党:公明党は、誰一人取り残さない共生社会の実現に向けて、日本に在留する外国人をサポートする専門家の育成など、きめ細やかな支援体制を構築していきます。また、緊急時等の情報が適切に届くよう、社会における多言語化や日本語教育の充実を図り、外国人が孤立しない社会を目指していきます。

立憲民主党:回答なし

国民民主党:国民民主党は多様性を受け入れる社会を目指しています。一方、その準備と体制が整わない中でのなし崩し的な社会の変容は混乱の原因となります。多様性と共生のあり方について、積極的に議論していきます。

日本維新の会:回答なし

日本共産党:外国人への差別、人権侵害に、簡易迅速に対処できるよう、政府から独立した立場で、申立てを受けて調査し、救済の手立てがとれる国内人権機関を創設すべきです。

れいわ新選組:人々が国境を越えて移動し、様々なルーツを持つ外国人と自国民とが共存する現代において、いかに人権が保障され差別のない社会をつくり上げるか国家は問われています。れいわ新選組は様々な民族がその文化を尊重され平和に共生できる日本を目指します。

社会民主党:人びとの多様性を尊重し、真の共生社会をめざして、上記の課題に積極的に取り組みます。

NHK党:帰化制度に関して改善を図りたいと思います。段階的な帰化制度を導入することで当初は図りかねていた思想的条件に関して、例えば10年後に再審査を行うなど国家の安全保障にも関わることなので念には念を押すような制度とするべきだと思います。また、最終的な帰化判断は後年の再審査時とし、それまでは国政への参政権は保留するべきだと考えます。国体に関わることなのでその判断が長い期間を必要とすることは当然至極だと思います。





なお、アンケートの各項目に関する解説は以下のURLの、当団体が発表した政策提言「移民社会20の提案」(2019年発表・2021年改訂版)を参考にしてください。
https://note.com/iminshakai20


調査概要

調査名: 「移民政策に関する政党アンケート 2022参院選」
調査対象: 総務省HP「政党・政治資金団体一覧」(2022年4月25日現在)に掲載されている政党(自由民主党、公明党、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党、NHK党)
調査期間: 2022年5月26日〜6月16日 
調査方法:アンケート用紙・Googleフォーム
*一部、質問項目に誤植があったため、該当部分および回答を修正しています。


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