2月19日に改定入管法案が閣議決定されたことを受け、移住連は、#入管法改悪反対の緊急署名アクションを行います。署名アクションには、以下のいずれかの方法でご参加いただけます。【締切: 2021年3月31日→2021年4月18日】
菅 義偉 内閣総理大臣
上川陽子 法務大臣
いま日本には、正規に暮らすための在留資格がないものの、引き続き日本で暮らすことを希望している移民・難民がいます。そのうちの約3000人は、日本政府から退去強制を命じられていても、日本に生活の基盤があったり、さまざまな理由から出身国に戻ることが難しいために日本で暮らすことを希望している「在留希望者」です。
私たちは、こうした人びとが引き続き日本で暮らしていけるよう、日本政府に対して、在留資格を与えること(在留特別許可)を求めます。
退去強制を命じられている「在留希望者」とは、労働力不足の産業で働きながら日本社会を下支えしてきた労働者であり、その家族です。あるいは、難民認定率が1%にも満たないこの国で、何度も不認定の決定を受けた難民とその家族です。
「在留希望者」たちは、在留資格がないために就労も許されず、生活保護などの社会保障の対象からも排除され、想像を絶するような過酷な生活を強いられてきました。それでもなお出身国へ帰れないのは、それぞれに帰れない事情がある、あるいは、日本で暮らす理由があるためです。
たとえば、在留資格のない両親のもとに生まれた子どもや、幼少期に来日し日本で成育した子どもにとって、日本は文字通り「ホーム」です。他に「帰る」場所はありません。日本には、子どもの権利条約の批准国として、「子どもの最善の利益」を守る義務があります。退去強制を促す政府の方針は、それに反します。また、政府は、子どもの在留を認めることを条件として、親にのみ退去強制をすすめることがありますが、子どもが家族と一緒に暮らす権利(家族結合権)は、日本も批准している自由権規約が保障しており、これに違反します。
退去強制を命じられている難民の多くは、複数回難民申請をしている人びとです。そもそも日本で難民申請をするのは国に帰れば迫害や命に危険がおよぶ可能性があるためです。難民条約が難民および難民申請者の送還を禁じているのはそのためです(ノン・ルフールマンの原則)。本来難民として認定されるべき人が認定されていない状況で、送還を実施することは許されません。
そのような中、2021年2月19日には、改定入管法案が閣議決定されました。この法案には、上記のような理由から退去強制命令に従うことができない人びとを刑事罰の対象としたり(退去強制拒否罪)、また、複数回難民申請をした難民申請者を送還できるようにする送還停止効の例外が設けられています。
私たちは、この入管法の改悪に反対するとともに、出身国に戻ることが困難な事情をかかえる移民・難民とその家族についても、在留特別許可(法務大臣の裁量により、在留を認め、在留資格を与える措置)を認めることを強く求めます。
日本が、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指すのであれば、「在留希望者」に正規に日本で暮らす在留資格を認めるべきです。
以上