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2020.03.18 声明・意見

【声明】新型コロナウイルス流行にともなう緊急アピール

本日(2020年3月18日)、移住連は、新型コロナウイルスにともなう緊急アピールを以下の通り発表しました。



2020年3月18日

 

新型コロナウイルス流行にともなう緊急アピール
―差別・排外主義に懸念を表明し、移民、民族的マイノリティ、社会的に脆弱な立場の
人びとにたいする人権保障と医療・経済的保護を求めます―

 

 新型コロナウイルスの流行にともない、移民や民族的マイノリティにたいする差別、排外主義的な言動が、国内外で数多く報告されています。ヨーロッパではアジア系の人が暴行を受けたり、日本では中国人が入店を断られる事件が起きています。各国が特定の国を対象とした入国制限措置を導入し、国境を超えて人が移動する「リスク」が語られるなか、移民や民族的マイノリティが、その「リスク」と結びつけられ、「疑い」の目を向けられたり、排外主義的な言動を浴びせられる事態が生じています。同時に、ウイルスの流行を背景とした経済悪化のなか、技能実習生や派遣で働く移住労働者などが解雇や退職を求められるケースも目立っています。私たちは、こうした新型コロナウイルスの流行と結びついた差別や排外主義に強い懸念を抱いています。

 世界保健機関(WHO)で緊急事態プログラムの統括を担当するマイク・ライアン氏は、各国で導入が相次ぐ入国制限措置について「包括的な感染拡大防止策の一つにすぎない」として、乱用を避けるよう呼びかけました1)。またミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官は、新型コロナウイルス対策において、人権が最前線かつ中心におかれる必要があると述べています2)。彼女は「包括的なアプローチをとることなしには、ウイルスを撃退するための私たちの努力は実を結ばないだろう。それは、社会において最も脆弱で無視されがちな人々を、医療的にも経済的にも確実に保護することを意味する」と指摘し、社会のなかで脆弱な位置におかれた人びとへの対応に注意を払うよう求めました。さらに、新型コロナウイルスに影響を受けている政府機関が、ゼノフォビアやスティグマ化にかかわる出来事にたいして必要な措置をとることも求めました。

 一方、日本では、WHOが差別や風評被害を防止する観点から特定の地名や人名等を感染病の病名に使わない方針を定めているにもかかわらず、一部の政治家が、新型コロナウイルスを「武漢ウイルス」と呼ぶ事態が生じています。また、さいたま市は、保育園などの職員用に備蓄用マスクの配布を行う際、朝鮮幼稚園をその対象外と一旦決めました(市民らの抗議ののちに撤回)。このように、公的機関や公の立場にあるものがむしろ率先して差別をしたり、煽る例も目立ちます。

 私たちは、こうした状況に懸念を表明し、政府や自治体に対し、新型コロナウイルス流行と結びついた差別や排外主義的な言動は許されないという明確な姿勢を示すこと、また、移民・民族的マイノリティの人権保障および脆弱な位置におかれた人びとを保護することを求めます。誰もが取り残されないよう多言語での情報提供や、人権にもとづくきめ細やかなサービス提供が必要です。さらに、政府、報道機関、そして市民に、正確で公正な情報発信を行うよう要請します。

 私たちは、差別や排外主義が広がる今こそ、国境を閉じることによって問題が解決できるかのような幻想を振りまくよりも、国境・民族を超えた信頼と連帯が求められると考えます。


以上

 

 

1) 東京新聞「<新型コロナ>WHO、入国制限の乱用戒め 「防止策の一つ」」(2020年3月17日夕刊)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/202003/CK2020031702000278.html

2) OHCHR "Coronavirus: Human rights need to be front and centre in response, says"  Bachelet
https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=25668&LangID=E

 

 

 

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