1.緊急措置に現行の技能実習制度は活用しない。
<理由>
① 現行の技能実習制度には技能実習生の権利侵害の観点から問題が多く、国内外から制度廃止を含め厳しい批判を受けている。
② そもそも技能実習制度は国際貢献を柱とした制度であり、国内の労働者不足を補う実態と乖離している。
2.日本人と同等に労働者としての権利を現場で確実に担保する対策を講じる。
<理由>
① 建設分野においては労働災害、社会保険未加入が多いとされ、言葉や習慣の違い、不十分な制度周知等から、外国人の場合はさらに同問題が深刻になる。
② 現在の建設労働者の労務単価は1万5175 円であり、技能実習生の予定賃金額との差が大きい。
③ 上記①②の実情を勘案すると、日本人と同等の労働条件を現場で確実に担保せねば、国内労働者の待遇が悪化するとの懸念が払拭されず、五輪開催後にも悪影響を及ぼしかねない。
3.外国人労働者の同業種内での雇用先の移動を自由にし、在留資格もそれを可能にする設計とする。
<理由>
① 職業選択の自由は基本的人権である。技能実習制度の下で来日する外国人労働者にはその自由が認められておらず、様々な権利侵害、待遇の悪化につながっている。