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声明・意見voice

2013.02.18 声明・意見

ハーグ条約締結の慎重な検討を求める要望書

私たちは、国際結婚で定住する移住(外国人)女性や子ども等の支援にたずさわる民間団体、シェルター、労働組合、専門家等の全国ネットワーク組織です。

各報道によると、安倍首相は、今月末にワシントンで行うオバマ米大統領との首脳会談で、国際結婚が破綻した際の子どもの扱いを定めたハーグ条約について、日本が近く締結する見通しであると表明する方針を固め、また、政府は3月中旬に承認案などを国会に提出する方針である、とのことです。

ハーグ条約は、一方の親が、監護権を持つもう一方の親の同意なしに国境を越えて子どもを移動、留置することを違法とし、残された親のいる国に子を返還することを原則義務づけています。しかしながら、私たちの経験によれば、国際結婚等の破綻により子どもを連れて国境を越える女性たちの多くは、夫からのDVや子どもの虐待などのやむを得ない事情を抱え、逃げてきているケースです。私たちは、このようなハーグ条約に日本が加盟した場合、国際結婚等の女性と子ども、とりわけ、DV被害女性や虐待を受けた子の利益を著しく損なう深刻な懸念があると考えます。日本政府による条約の締結について、条約の問題点を含め、十分かつ慎重に検討されるよう、強く要望いたします。

私たちは、ハーグ条約が本来、子の最善の利益を目的とするならば、原則返還とせず、子の返還か返還拒否か、どちらが子の利益より適合的かを審理の対象とすべきと考えます。現在検討されている国内関連法案についても、上記の観点から、慎重なご検討をお願いいたします。

以上

2013年2月18 日

移住労働者と連帯する全国ネットワーク

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