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声明・意見voice

2017.07.20 声明・意見

【パブコメ】技能実習「介護」職種追加に関する事業所管大臣の告示案について

 本日、移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)は、外国人技能実習生権利ネットワークと連名で、「介護職種について外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則に規定する特定の職種及び作業に特有の事情に鑑みて事業所管大臣が告示で定める基準等(案)」に関する意見募集にあたり、以下のパブリックコメントを提出いたしました。

 

●意見募集(パブコメ)
「介護職種について外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則に規定する特定の職種及び作業に特有の事情に鑑みて事業所管大臣が告示で定める基準等(案)について」

厚生労働省社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495170086&Mode=0


2017年7月20日

「介護職種について外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則に規定する特定の職種及び作業に特有の事情に鑑みて事業所管大臣が告示で定める基準等 (案)」に関する意見

 

特定非営利活動法人 移住者と連帯する全国ネットワーク
外国人技能実習生権利ネットワーク

 

<2.第1の1(1)

 国際厚生事業団の調査(平成26年度)によれば、EPA介護福祉士候補者の受入れ施設の約9割が受入れ時に日本語能力N3以上は必要だとした。また、「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会」第3回(2014年11月27日)でも、「少なくとも実習開始時においてN3は最低必要だ」とされた。
 しかし、「中間まとめ(案)」が審議された第6回検討会では、介護関連の主要6団体から「N4程度が適当」と基準を大幅に下げた「福間代理提出資料」が配られ、十分な議論もないまま中間まとめ(2015年2月4日)では「入国時N4程度」とされた。
 これに対して日本語教育学会から出された「技能実習生としての外国人介護人材受入れにおける日本語要件と日本語教育に関わる要望書」(同年4月6日)では、日本語能力試験は専門分野を特定しない一般的な日本語能力を測定するもので、介護現場に必要な言語能力を測るための最適な尺度ではなく、「N4程度」では不十分で、介護業務に深刻な支障をきたすおそれがあると指摘している。また、同試験はマークシートによるもので、介護現場に必要な口頭のコミュニケーションや介護記録を書く能力は測定することができない。
 介護職種の追加は技能実習で初めての対人サービス業であり、介護の質を担保するため日本語能力は最も重要である。しかし、前述のように日本語教育の専門家の意見を反映せず、介護の経営者団体の意見に押し切られて「入国時N4程度」としたのは不適当であり、少なくとも「入国時N3程度」とする必要がある。

<2.第1の1(3)②及び③
 現行制度でもJITCOのガイドラインに沿った日本語研修が推奨され、また来日前に送出し機関で同ガイドラインに沿った日本語研修が平均173時間実施され、入国後は1か月160時間以上の日本語を中心とした研修が実施されている。しかし、講師の質や研修内容が担保されていないため、実習生の日本語能力は300時間程度の日本語学習で到達可能なN4にはるかに及ばず、同ガイドラインにある到達目標(N5程度)すら達成されているとは言い難い状況である。
 告示基準案第1の1(3)③で、入国後日本語研修の教育内容や講師の条件について定めたことは、一定の評価ができる。しかし、過去の研修実施状況や結果から考えて、ガイドラインや推奨するプログラムを制定するだけでは介護実習生の日本語能力やコミュニケーション能力は確保できないと思われる。
 したがって、日本語能力を確保し介護の質を担保するためには、国が日本語研修のための費用について、技能実習の国際貢献という意義も踏まえて予算を確保し、来日後の合同研修の実施や実習実施者への専門講師の派遣など実効性のある措置を取るべきである。

<2.第2の1>
 技能実習法及び同法施行規則に定める「一般監理事業の許可に係る基準」は、必ずしも優良な監理団体に絞り込む要件として十分なものとは言えず、違反行為をしていない監理団体の多くが「介護」を扱うことが可能になると思われる。したがって、介護以外の職種を扱う監理団体については、利用者の安全を守り介護の質を保つため、介護に関する専門性を確保する条件を別途加えるべきである。

<4>
 職歴条件に「外国における高齢者や障害者の施設や居宅等」とあるが、もし居宅での「日常生活上の世話」まで職歴条件に該当すると判断するなら、家事労働者など介護の専門性がない者まで広く含まれてしまう。介護技能実習生には居宅での介護は認めていないことや技能実習の目的は介護の技能移転であることから、職歴条件としては居宅を除いた上で、「施設での介護経験者」に限定すべきである。
 また「政府による介護士認定等を受けた者」とあるが、EPA(フィリピン)では6ヶ月786時間の講習を受け、技能認定試験に合格した者をさす。技能実習においても同レベルとし、現在介護士認定がない国においては、フィリピンと同等の条件を課すべきである。

<その他>
 介護保険施設における人員配置基準との関係について、告示案では示されていない。
 EPA開始時(2008年)には、国家試験合格まで配置基準に算定されなかった。その後、受入施設の強い要望もあり2012年より、受入施設での就労開始日から1年を経過した介護福祉士候補者 (2013年より就労開始6か月に短縮)、及び日本語能力試験N2以上を保有している者は、算定対象に含むことが可能となった。
 EPAの候補者は、現地で看護師や介護士認定を受けた上で、政府予算により1年間の日本語研修を実施されている。これに比べて、看護師や介護士認定を受けていない介護実習生では、より厳しい基準を設けるべきである。したがって、少なくともN3を取得して就労後半年未満の者や日本語能力N2に達していない者は、配置基準に入れるべきでない。
 また、介護実習生を配置基準に入れる場合は、告示においてその条件を明示すべきである。

以上

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