移住連は、「麻生太郎副総理の発言に関する抗議声明」を発表いたしましたので、お知らせいたします。
報道によると、麻生太郎副総理は、9月23日の講演で、朝鮮半島の有事で難民が日本に逃れてくることを想定し、「武装難民かもしれない。警察で対応できるか。自衛隊の防衛出動か。射殺か。真剣に考えた方がいい」と発言したとされています。
しかし、そもそも難民とは、広い意味で、本国における迫害や紛争、人権侵害のために国境を越えて庇護を求める人々を意味しています。にもかかわらず、難民に「武装」という表現を付け加える麻生副総理の発言は、庇護の対象者が、あたかも武装して侵入してくるかのような誤ったイメージを与えるものです。これは、結果として難民に対する根拠のない社会不安や敵意を醸成し、難民や庇護を求めてくる人々を不安定な状況、延いては生命の危機にさらしかねないものです。難民条約をはじめとする難民保護に関する国際規範や人権条約に反する発言を行うことは、条約締約国の日本政府を代表する立場としてあるまじき行為です。
また、麻生副総理は、難民として逃れてきた人々を「不法入国」で逮捕、収容する可能性についても言及しましたが、難民を「不法入国者」として処罰することは難民条約に反しています。日本の出入国管理及び難民認定法においても、難民の場合、一定の要件の下、「不法入国」に関わる刑罰は免除されています。
以上のように、麻生副総理の発言は、政治家・副総理という役職に就く公人の発言として断じて許されるものではなく、強く抗議し、撤回を求めます。