移住連は、本日(9月14日)、NHK『クローズアップ現代+』「日本の保険証が狙われる~外国人急増の陰で~」(2018年7月23日放映)の放送にかんし、NHKに対して、「質問書」を送付しました。
移住連から8月3日に「謝罪と撤回」を求める「意見書」を送付して以降、NHKからは、8月8日にFAXにて応答がありましたが、「謝罪と撤回」が含まれていないばかりか、こちらが「意見書」の中で指摘した問題点に対し、何一つ答られていないことから、本日、NHKに対し、9月24日の回答期限付で以下の「質問書」を送付しました。
これまでのやりとりを以下に報告いたします。
●2018年8月3日 移住連からNHKへの「意見書」
http://migrants.jp/news/opinion-nhk-180803/
●2018年8月8日 NHKから移住連への返信
●2018年8月8日 移住連からNHKへの「質問書」
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『クローズアップ現代+』「日本の保険証が狙われる~外国人急増の陰で~」制作担当 御中
私たち移住連(移住者と連帯する全国ネットワーク)は、8月3日に貴社に対し、上記番組に関する意見書を送付し、謝罪と撤回を求めました。これに対し、貴社からは、8月8日付けで、FAX(資料②)による返信がありましたが、その回答からは、私たちからの問題提起の意図を理解し、誠実に答えていただいたものと受け止められませんでした。この度、私たちは、再度以下の質問を送付いたします。
再質問1
2017年3月の厚労省によるレセプト全件調査において、外国人が国民健康保険に加入して半年以内に80万円以上の高額な治療を受けたケース1,597件中、結論として厚生労働省が明示している「不正な在留資格による給付である可能性が残るもの」は2名であったことについて、御社の山屋智賀子記者が「数件」と表現し直した理由は何でしょうか。
また、同記者は、この「数件」の数字について「不正な在留資格による給付である可能性が残るもの」を「はっきりと偽装滞在で、違法の疑いがあると確認できたケース」と言いかえて報告しています。これは報道倫理上、看過し難い事態ですが、この件について、御社の見解と今後の対応についてお教えください。
再質問2
同じく2017年3月の厚労省によるレセプト全件調査について、厚生労働省は「在留外国人不適正事案の実態把握を行ったところ、その蓋然性があると考えられる事例は、ほぼ確認されなかった」(平成29年12月27日「保国発 1227第1号」)としていますが、この点を報道しなかった理由は何でしょうか。
再質問3
「外国人が国民健康保険に加入して半年以内に80万円以上の高額な治療を受けたケース1,597件」を報道する一方で、これが、「外国人年間レセプト総数(推計):14,897,134件」の約0.01%に当たることを報道しなかった理由は何でしょうか。
再質問4
(紹介された事例も含め)雇用されている、あるいは住民登録がある外国人は、健康保険、国民健康保険の保険料納付義務があるにもかかわらず、「ただ乗り」と表現した理由は何でしょうか。
また、健康保険の被保険者家族について、保険料は被保険者負担であり、医療費のかかる扶養親族を被保険者家族に入れる例は枚挙にいとまがありませんが、あえて日本人のケースを問題にしない理由は何でしょうか。
再質問5
国内に住民登録を置く外国人は、年々増加の一途をたどっています。今回の放送では、高齢化に伴う国民医療費の増加についても触れていますが、外国人人口の大半を占める若年層が担う、健康保険、国民健康保険料の負担割合も増加しています。この点についてあえて言及しなかった理由は何でしょうか。
なお、この質問にたいする回答は、9月24日(月・祝)までに、移住連宛に送付ください。
2018年9月14日
移住者と連帯する全国ネットワーク
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