仮放免の子どもたちは、親が働くことを禁止されているため、極度の貧困状況を生きています。義務教育期間中は、給食や体操着などに対して就学援助を受けられますが、高校からは就学支援金の対象にはなりません。そのために進学をあきらめたり、中退を余儀なくされる子どもが多くいます。
さらに入管は、「日本にいてはいけないのだから、勉強してもしょうがない」と、やる気をくじいて追い返そうとします。しかし、出身国に帰れるならとっくにそうしており、日本でしか生きられない高校生の将来を切り開くために何かできないか。このプロジェクトは、そうした思いから始まりました。自分は存在してはいけない、と日々思わされるつらさを多くの人に理解してもらい、仮放免高校生とその家族の在留資格正規化につなげるキャンペーンの一環として、奨学金を出します。
仮放免高校生奨学金プロジェクトは、こうした高校生に、月1万円の奨学金をだすことで、かれらを市民社会は見捨てていないというメッセージを伝えます。月1万円は、公立高校の1か月の授業料であり、日本人なら免除になりますが、仮放免高校生は支払いを求められ、親も就労できない現状では重く肩にのしかかっています。
以下の要項をご覧の上、該当する高校生がいらっしゃいましたら、ぜひとも応募を勧めてくださいますようお願いいたします。
仮放免の高校生を対象に、月額1万円の奨学金を給付します。在留資格がないことを理由に公的支援や高校生等就学支援金の対象外とされる現状を受け、市民社会はあなたたちを支えるという思いを伝え、現状を変えていく行動を起こすべく、月額1万円の奨学金を支給します。
(1)給付月額:1万円
(2)給付対象期間:2023年1月~2024年3月(15ヵ月)
(3)対象都県:東京、神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城
(4)対象者:2022年4月時点で日本の高等学校に在学中の仮放免の方
(5)給付方法:チューターの大学生が2ヶ月に1回手渡しします(変更の可能性あり)
(6)奨学金返済の必要はありません。給付型の奨学金です。
以下のいずれの各項にも該当する者
・2022年4 月時点で日本の高等学校に在学している仮放免の方
・関東地方にお住まいの方(東京、神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城)
・個人が特定されない方法で、仮放免高校生の置かれた状況をお話いただくなど、
在留資格を求めるキャンペーンに協力できる方
(1)募集期間:2022年11月10日(木)~2023年1月6日(金)
(2)募集人数:15名程度
以下のメールアドレスに必要事項及び応募書類を記入・添付のうえ、送信してください。
必要事項(メールにテキスト入力)
(1) お名前
(2) 生年月日
(3) お住まいの都県・市町村名
(4) 国籍・ルーツ
(5) 学校・学年
(6)「私の高校生活」「私の家族」「私の好きな場所」「将来やりたいこと」のいずれかをテーマとした、
作文(400~800字程度)・絵・詩から作品1点をメール本文に記入、あるいはファイル(紙に書いた
ものを画像ファイルにしても可)を添付してください。
※応募者多数の場合、選考する可能性があります。応募書類上の個人情報について本キャンペーンの選考以外に使われることはありません。
書類受付:2022年11月10日(木)~2023年1月6日(金)
奨学生決定:2023年1月26日
奨学金支給開始:2023年2月(1月分も遡って支給します)
大学生の「チューター」が対象となる奨学生と伴走します。学校や勉強、将来など、日常的な相談をすることができます。
主催:一般社団法人 反貧困ネットワーク
NPO法人 移住者と連帯する全国ネットワーク 貧困対策PT
担当:稲葉奈々子(上智大学)・髙谷幸(東京大学)
協力:上智大学学生(加納茜・国本万葉・平野彩)