移住連は、1980年代から各地で活動を始めていた移住者や外国籍者などを支援するNGO、労働組合、市民団体が、恒常的なネットワークを必要とする状況下にあった中、1997年に発足し、2015年のNPO法人化を経て、24年間にわたり在日外国人の人権保障のために活動を続けてきました。
その活動は、国連へのNGOレポート提出、法改正等についてのロビーイングや国会での参考人陳述、シンポジウム・ワークショップの開催、政府・政党への要望書提出や政策提言、人種差別発言への抗議等のほか、各種書籍の出版やビデオ制作にまで及んでおり、当事者の参加を含めた省庁交渉は発足以来毎年行っています。以下にその一部を紹介します。
2008年には、移住連が国連人権規約委員会に提出したNGOレポートにより研修生・技能実習生問題について初の勧告がなされ、それ以降、外国人に対する様々な勧告を引き出しています。
2011年の東日本大震災においては、移住者の情報収集を政府へ要請しているほか、コロナ禍においても、声明の発表、各種要請を行い、2020年5月には公的支援を受けられない難民申請者を含めた仮放免者、帰国困難者、公的支援に容易にアクセスできない移民に対する「新型コロナ 移民・難民緊急支援基金」を立ち上げるなど、適時適切な助成・救済活動を行っています。
2021年5月17日には出入国管理及び難民認定法案が事実上の廃案となりましたが、これは移住連による速やかな抗議声明や国会前のシットインなどの行動が一つの契機となっています。
移住連は、移民・難民・移民ルーツを持つ人々の声が政治に届けられるための媒介組織としての役割を果たすとともに、医療、女性、労働(技能実習生を含む)、人身売買、在留資格、貧困、非正規滞在者などの各分野で未知の領域を切り開き、社会問題化することにも成功しています。
これらの諸活動と成果は、東京弁護士会人権賞の受賞に相応しいものです。