2018年8月に国連人種差別撤廃委員会(CERD)により出された第10回・11回日本政府報告審査の総括所見において、国内人権機関の設置と技能実習制度はフォローアップ項目に指定され、日本政府は一年以内に委員会からの勧告の実施について情報提供を求められていました。フォローアップ審査は、2019年9月日本政府からの報告に基づき行われ、その評価を示した委員会から日本政府に送付された書簡が公開されました。
CERDフォローアップレター・原文(2020年9月24日)
フォローアップレター仮訳(翻訳: IMADR)
(IMADRホームページより引用)
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■満足できるものではない国内人権機関設置に向けた措置
国内人権機関に関しては、委員会の勧告に基づいて適切な措置がとられていないことは残念であり、日本政府の回答は満足できるものではないと述べています。
■一部は満足できるが課題が多い技能実習制度
技能実習制度に関しては、2017年の「技能実習法」があるにもかかわらず、実地調査が充分行われていないこと、さらには、外国人技能実習生が劣悪な労働条件のもと、搾取や虐待の危険にさらされているという他からの情報があるにもかかわらず、政府からはその実施状況や影響について何も情報がないことへの懸念が示されています。そのうえで、技能実習制度のさらなる改革やしっかりした監督の必要性を指摘し、次回の定期報告にはそのためにとった措置について詳しい情報を提供するよう勧告しています。