自由権規約委員会による第6回日本報告書審査 最終見解では外国人の人権問題についても多数勧告 |
自由権規約委員会は、第6回日本報告書審査後、日本時間7月24日夜に最終見解を発表し、外国人の人権に関しては、主に以下の点について
勧告が示されました。移住労働者と連帯する全国ネットワーク(移住連)は、この最終見解を歓迎するとともに、具体的な改善措置について、
日本政府が直ちに必要な措置をとり、勧告を完全実施するよう求めます。(数字は最終見解の段落、日本語訳は抜粋、簡略版)
DV被害を受けた移住女性に対する保護が不十分とした上で、性暴力の被害を受けた移住女性が在留資格を喪失させないこと等によって、適切な保護を受けられるようにすることが勧告されました。
差別、敵意あるいは暴力の扇動となる人種的優越あるいは憎悪を唱える宣伝のすべてを禁止し、そのような宣伝を広めるためのデモを禁止すべきこと、裁判官、検事および警察官に対する訓練の実施、加害者が適切に処罰されるよう必要な措置をとることなどが勧告されました。
特に強制労働の被害者について、被害者認定手続きを強化し、法執行官に訓練を行うこと、加害者に対する適切な刑罰を科すこと、被害者への保護措置を強化することが勧告されました。
現行制度を能力開発に焦点を置く新しい制度に代えることを真剣に検討すること、事業場への立ち入り調査の回数を増やし、独立した苦情申し立て機能を設置し、労働搾取の人身売買その他労働法違反事案を効果的に調査し、加害者を起訴し、制裁を科すことが勧告されました。
2010年にガーナ人の男性が退去強制中に死亡したことに触れ、移住者が退去強制中不適切な扱いを受けることがないよう適切な措置をとること、難民申請者の保護の可否の決定にあたって、また退去強制の停止に関して、移住者が公正な手続きへアクセスできるよう保障すること、難民不認定処分に対する独立した不服申立て制度へのアクセスを保障すること、収容をあくまで最終的な手段とし、その期間を最小限度とすること、また、移住者が自身の収容の合法性につき訴訟を提起できるようにすることが勧告されました。
警察職員に対し人種的プロファイリングが許されないこと等に関する訓練を実施し、権力濫用があれば、その影響を受けた人々による効果的な救済手段へのアクセスを確保することが勧告されました。