近年、日本では人口減少や労働力不足を背景に、「外国人材の活用」が進められています。「移民政策ではない」という言葉が端的に示す通り、「有用性」に基づいて外国人を選別し、評価する政府の政策は、人間としての尊厳と権利を蔑ろにしてきました。
2023年と2024年には入管法が改定され、国家にとって「有用な外国人」の受入れが拡大される一方で、難民の送還停止効の例外や永住資格取消しなど、管理と排除を促進する制度が確実に整えられています。このような状況の中で、在日クルド人へのヘイトスピーチなど、日本社会のなかでの排外主義の拡大が見られます。政府の政策は「多文化共生」を掲げながら、共に生きるための権利については目を背け、結果的にすべての人にとって生きづらい社会をつくっているのではないでしょうか?
本シンポジウムでは、入管法の改定を批判的に検討し、日本の移民政策について議論します。
日時:2024年11月23日(土)14時00分~16時00分(開場:13時45分)
開催場所:明治大学駿河台キャンパス リバティタワー9階 1096教室 +オンライン併用
資料代(オンライン参加者含む):500円
お申し込み締切:2024年11月19日(火)
◇ 安田浩一さん(ノンフィクションライター)
外国人労働者、非正規雇用、ヘイトスピーチ、ネット右翼など人権や差別問題に関心を寄せ、取材を行う。近著に『地震と虐殺 1923-2024』(中央公論新社)など。最近では、埼玉県のクルド人コミュニティに対する精力的な取材を行っている。在日クルド人に対するヘイトスピーチなど、拡大する排除に対する批判的視点からご発言いただく。
◇ 李善姫さん(東北大学)
東北大学ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン推進センターに所属し、結婚移住女性や多文化家族、ジェンダーなどに関する研究を行う。近著に『東北の結婚移住女性たちの現状と日本の移民問題』(明石書店)など。留学生として来日し、日本で永住者として家族と共に暮らす、移民当事者の立場からご発言いただく。
◇ 鳥井一平さん(移住連共同代表理事)
1990年代より外国人労働者の権利支援活動に携わる。技能実習制度の問題追及と永年にわたる外国人労働者支援活動が認められ、アメリカ国務省から 2013 年度 の”Trafficking in Persons Report Heroes(人身売買と闘うヒーロー)”に選ばれた。外国人労働者の受入れの視点から発言する。
コーディネーター:
鈴木江理子さん(国士館大学/移住連共同代表理事)
NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク
〒110-0005 東京都台東区上野1-12-6 3F
Tel 03-3837-2316
主催:NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク