お知らせ

製造業外国従業員受入事業に関する告示案及びガイドライン案に係る意見(パブリックコメント)を提出しました

このたび移住連は、製造業外国従業員受入事業に関する告示案及びガイドライン案に関してパブリックコメントを提出しました。

製造業外国従業員受入事業に関する告示案及びガイドラインに係る意見

私たちNPO法人 移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)は、この社会で暮らし、働くさまざまな移住者の生活と権利を守り、自立への活動を支え、よりよい多民族・多文化共生社会を目指す個人、団体による全国ネットワークです。

提案されている告示案及びガイドライン案に対して、以下3点の意見を述べます。

1. 国としての外国人労働者受入れ方針に対する疑問
<該当箇所>
提案全体に対して

<意見>
国としての包括的な「外国人労働者」受入れ方針についての議論が十分になされないまま、なし崩し的に、かつ告示の形で
外国人労働者の受入れが拡大していくことに疑問を抱かざるをえない。
外国人労働者の受入れ範囲の拡大については、「労働市場や医療・社会保障、教育、地域社会への影響や治安等国民生活への
影響も踏まえ、国民的議論が必要である」(雇用政策基本方針、2014年4月1日)はずであるが、たった30日のパブコメ募集で
「国民的議論」と言えるのであろうか。
年末年始休暇直前の12月28日にパブコメ募集を行い、最短期間の30日間で意見募集を締め切り、27年度以内に告示を交付・
施行しようとするスケジュールは、あまりに拙速すぎると言わざるをえない。
「企業内転勤」の対象外であった活動(「技術・人文知識・国際業務」に該当しない活動)を、技能実習制度を活用するの
ではなく、「労働者」として受け入れようとしているが、当該労働者の受入れを必要とする背景について、明確な説明を求め
たい。

<理由>
「『日本再興戦略』改訂」(2014.6.24閣議決定)において、「持続的成長の観点から緊急に対応が必要な分野における新たな就労制度の検討」の1つとして、「製造業における海外子会社等従業員の国内受入れ」とある。今回の告示はこれを実現する
ための制度設計であると捉えることができる(計画では2014年度内に制度設計)。
ところで、今回受け入れようとしている労働者は、「専門的・技術的労働者」なのか、あるいはいわゆる「単純労働者」である
のか。前者であるならば、「特定活動」といった残余的な在留資格ではなく、独立した就労可能な在留資格として受け入れる
べきであるし、後者であるならば、国会での審議が必要である。両者の中間領域の職種であるならば、従来の二分類が実態に
即していないことを認めたうえで、改めて、国としての受入れ方針を議論すべきであろう。

2. 肯定的評価
<該当箇所>
意見ごとに適宜示す。

<意見>
以下の4点を肯定的に評価する。
□ 強制帰国が人権侵害であると明記されていること(ガイドライン第9章の2④、p.48)。
□ 報酬を担保する財産的基盤について明記されていること(告示第4の2(4)⑤、p.2)。
*外国人建設就労者受入事業では明記されていない。
□ 帰国後1年以内に海外事業所を解雇されないことが明記されていること(告示第4の2(4)⑪、p.2)。
□ 帰国担保措置や保証金徴収の禁止等について、受入れ事業申請者が「宣誓」しなければいけないこと(ガイドライン第4章の2(4)⑦⑧⑩⑪⑫、pp.30-31)。

<理由>
「企業内転勤」と「技能実習(企業単独型)」、及び外国人建設就労者受入事業のスキームをベースとした受入れ方式となって
いる。そこで、それぞれの受入れ方式と今回提案の受入事業とを比較したうえで(後述)、技能実習及び外国人建設就労者受入
事業における問題点に対してどのような対応がなされているかを検討した結果である。
①労働者の異動(海外事業所と受入れ企業との関係)、②海外事業所における継続して1年以上の勤務、③日本人と同等以上の
報酬、という基準は、「企業内転勤」と同じである。しかしながら、①最長在留期間の設定、②家族同伴不可、という制約
(循環型受入れ)は、技能実習や外国人建設就労者受入事業と同じとなっている。
①最長在留期間の設定、②家族同伴不可、③生活指導員の任命、住居の確保等、④受入れ計画の提出等は、「技能実習(企業単独型)」と同じである。ただし、受入れ人数枠は設定されていない(ガイドラインp.7「真に必要な人数」)。
①「国際貢献」を目的としない新たな外国人労働者の受入れ、②「特定活動」による受入れ、③最長在留期間の設定、④家族同伴不可、⑤所管大臣による受入れ計画の認定、という点は外国人建設就労者受入事業と同じである。

3. 懸念事項
<該当箇所>
以下の意見に適宜示す。

<意見>
以下の4点を懸念事項として指摘する。
□ 企業単独型をベースとしているため、受入れ企業による自己検査にとどまり、チェック機能が不十分である(告示第5、pp.3-4)。
第三者機関によるチェックが必要ではないか。
□ 外国従業員が、自身の生活や労働等に係ることがらを、受入れ企業に対して率直に相談することは難しいと考えられる
(告示第4の2(4)⑥、p.2)。自治体や国際交流協会、労基署等、既存の行政機関を活用し、第三者機関を相談窓口とした方がよい。
□ 受入れ人数枠が設定されていない(ガイドラインp.7「真に必要な人数」)。
□ リピート(再来日)の許否についての言及がない。

<理由>
「企業内転勤」と「技能実習(企業単独型)」、及び外国人建設就労者受入事業のスキームをベースとした受入れ方式となっている。そこで、それぞれの受入れ方式と今回提案の受入事業とを比較したうえで、技能実習及び外国人建設就労者受入事業における問題点に対してどのような対応がなされているかを検討した結果である。

以上

2016年1月26日
移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)

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