お知らせ

改定入管法、住民基本台帳法施行に伴う要請書について

6月に仙台にて行われた全国ワークショップ、入管法分科会をきっかけに、自治体に対するモデル要請文を作ることになりました。地域の個別団体だけで要請を自治体におこなっても、なかなか取り合ってもらえないことがあるため、移住連との連名で要請ができないか、という提案があったため、その後も入管法対策会議の方で多文化共生・自治体政策研究会とも検討を重ねてきました。
また、モデル要請文は、7月5日に東京で行われた「研究集会 ~改定入管法施行から2年~自治体の外国人住民政策を考える」でも参加者と共有したものです。
こちらはあくまでモデルですので、各地域ごとで様々な形で変わっていくことを想定しています。積極的に適宜改訂しながら、ぜひご活用ください。また、何らかの形で活用された場合は、こちらのメーリングリストや移住連事務局ともその要請についてご一報いただけますと幸いです。各地の比較などもできれば興味深いのではと思います。
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自治体申入れ書 (対市)標準モデル案

2014年  月  日

○○県○○市長 様
移住労働者と連帯する全国ネットワーク
多文化共生・自治体政策研究会
「○○市外国人の人権を守る会」など、各地域の団体名

改定入管法、住民基本台帳法施行に伴う要請書

○○市長におかれましては、市民自治の推進に日々取り組まれていることに心から敬意を表します。
外国人の人権尊重と多民族・多文化共生社会の実現をめざす運動を推進している私たちは、入管法・住民基本台帳法の改定によって外国籍住民に著しい不利益を生じさせないよう、法違反者を生み出さない取組み、人道的配慮や自治への参加を求めて、以下の点について要望いたしますので、ご理解いただき、市政に反映してくださるようお願い申し上げます。

1 外国人の住所変更届の遅延に対する簡易裁判所通知について
2012年7月施行の入管法、住民基本台帳法改定により、90日を超える在留期間を有する外国籍住民は住民基本台帳法の対象となりました。旧外国人登録法の住所変更届は、新住所地への転入届だけでしたが、改定後は旧住所地への転出届と新住所地への転入届をする必要があります。しかし、外国籍住民にはこのことが多言語で十分広報されず、周知されていないのが現状です。よって、14日を超える届出遅延につきまして、当面は周知期間であるとの理解により、差し控えられることを要請します。

2 住民票の職権消除について
各種行政案内・通知などの不到達、返戻、あるいは実態調査などによって登録住所地に不在と思われる場合、住民票を職権消除されますが、外国籍住民については、直ちに法務大臣にも通知しなければなりません。また、外国籍住民の場合は、出国や日本国籍取得、死亡などの理由以外は、住所変更届の遅延として住民基本台帳法違反(過料)の上、入管法違反として刑事罰が科せられ、加えて中長期在留者には、90日を超える遅延になると在留資格の取り消し処分もなされる恐れがあります。外国籍住民は、母国への一時帰国など外国人特有の事情があることを考慮して、住民票の職権消除については、より慎重に執り行われることを要請します。

3 非正規滞在者への行政サービスの継続について
非正規滞在者は入管法・住民基本台帳法の改定により、在留カードの交付を受けることもなく、住民登録もなされません。しかし、2009年の法案審議において総務省は「不法滞在者が受けられる行政サービスの範囲は、法改正後も基本的に変更がない」とし、義務教育や助産施設における助産、結核予防のための健康診断、小児慢性疾患医療などを例示してその対象とすると答弁し、2011年11月総行外第20号により確認の通知を出しました。この通知のとおり、引き続き行政サービスの提供を継続されることを要請します。

4 公務員の入管法違反者の通報義務について
出入国管理法の規定により自治体職員は退去強制該当者を通報する義務が課せられておりますが、2009年の法案審議において政府は「この通報義務を履行すると行政機関に課せられている行政目的が達成できないような場合について、通報により守られるべき利益と行政機関の職務の遂行という公益を比較考量して個別に判断することも可能」と答弁しております。つきましては法や条例の本来の目的を最優先して施策を実施し、告発を保留されることを要請します。

5 外国籍住民の声を市政に
(1)多言語広報の充実を
ルビつきのやさしい日本語を含む多言語による広報を充実し、市民としての知識、情報を提供して、地域における住民同士の相互理解を深め、共生を推進する。

(2)各種調査の対象に
住民意識・実態調査などの対象者として位置付け、多言語による調査票を作成し、外国籍住民の声を市政に反映させる。

(3)外国籍住民の意見反映の機関の設置
外国籍住民が意見を述べ、市政に反映する機会を保証するために、外国籍住民による審議会等を設置する。

(4)ヘイトスピーチへの対応を
近年、ヘイトスピーチなどが各地で行われておりますが、外国籍住民が安心して暮らせるよう、人種差別撤廃条約の国及び地方政府の差別撤廃義務(第2条)を想起し、人種主義に基づく差別・扇動を禁止し(第4条)、差別を助長し扇動する行為を禁止する条例を策定すること。

(5)防災のための対応を
2011年3月の東北大震災では地震、津波、そして原発事故によって多数の被災者を生み出しました。被災三県(岩手、宮城、福島)では総数で約30,000人の外国人も被災しました。言葉の壁や文化習慣の違い、地域での交流の少なさなどによって被害が増大したことや当事者の孤立感と不安は想像するに余りあります。つきましては、市の防災計画の策定、見直しの際における外国籍住民の参画と防災訓練への参加を推進することを要請します。

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